南部鉄器の釜師「鈴木盛久」16代目を襲名 盛岡の鈴木成朗さん

南部鉄器を仕上げる16代鈴木盛久の成朗さん。「先祖代々、名を高めてくれたおかげで今がある」と精進を誓う

 江戸時代から400年続く南部鉄器の釜師「鈴木盛久」の16代目を、先代盛久志衣子(本名・熊谷志衣子)さんの次男鈴木成朗(しげお)さん(51)が襲名した。アパレルブランドでデザインからブランディングまで手がけた異色の経歴で、製作と経営の両面に強みを持つ。13日から東京で襲名記念展を開き、岩手県が誇る伝統工芸の価値を発信する。

 盛岡市南大通の鈴木盛久工房に甲高い金属音が響く。1885(明治18)年に建てられ、すすで黒くなった屋内。成朗さんは、金づちとたがねで鉄器の表面を黙々と仕上げていった。

 襲名記念展は13~18日、東京の日本橋三越本店で開催。午前10時~午後7時(最終日は同5時)。

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