是枝裕和氏を継承し、濱口竜介氏と同時代に生きる日本在住中国人女性監督!余園園が贈るデビュー作『ダブル・ライフ』を4月19日(金)にアップリンク吉祥寺にて初の公開決定!

2022年、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022国内コンペティション長編部門グランプリ、バーリ国際映画祭監督賞受賞を果たした、中国出身、余園園(ヨ・エンエン)監督による長編デビュー作『ダブル・ライフ』が2024年4月19日(金)よりアップリンク吉祥寺にて初の公開決定いたしました。

本作品キービジュアル、本予告が解禁になりました。あわせて余園園監督、キャストからのコメントが到着しました。海外のタリン・ブラックナイト映画祭より届いた、興味深いコメントもご紹介いたします。

▽公式サイト▽

https://doublelife-enenfilms.com/

ポスター

レンタル夫との二重生活を送る中、他者の体に触れ相手の心を感じ取る身体的かつ心理的アプローチを通して、自身の新たな感情に気づいてゆく女性の姿を描いた、心の解放と蘇生の物語『ダブル・ライフ』。

監督は、中国の名門・北京電影学院を卒業後、日本に留学し立教大学の大学院に進んだ余園園(ヨ・エンエン)。余は2019年に「人間レンタル業」を描いたヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『ファミリーロマンス社』に着想を得て、自身も中国人として外側から見た日本像を脚本にしたためた。結婚生活に不満を持つ主人公・詩織を『ざわめき』(宮崎大祐監督作品)の菊地敦子が演じる。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022にてワールドプレミア上映。見事、国内コンペティション部門で最優秀長編作品賞を受賞したほか、第35回東京国際映画祭での上映、タリン・ブラックナイト映画祭2022への正式出品。また昨年イタリアで開催されたバーリ国際映画祭では監督賞を受賞するなど、巧みに切り取られた繊細な身体表現が国内外数多くの映画祭にて高い評価を受け、完成から2年越しで劇場公開が決定しました。

監督写真

■監督 余園園(ヨ・エンエン)からのメッセージ

『ダブル・ライフ』は立教大学大学院の修了制作であると同時に、私自身にとって「悲願の長編デビュー作」でもあります。物語の基盤、テーマにおいて、本作はヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『ファミリーロマンス社』の影響を強く受けています。同作に、不気味さ、虚しさ、現実との乖離を感じ、不思議な共感を覚えたのです。

「レンタル人間」「二重生活」「ふれあい」というテーマの掘り下げは、自分自身をもっとさらけ出したいという、私自身の潜在的欲求に基づいています。北京でも東京でも、心にぽっかり穴が空いたまま日々がいたずらに過ぎてしまい、人と人との間にいつも隔たりを感じています。愛されたい、心の穴を埋めてほしい、と願っているのは主人公の詩織だけではなく、私自身であり、あなた自身でもあるかもしれません。

この度、2年越しに劇場公開が叶い、感無量です。この作品は私の映画作りの原点であり、今もエネルギーをもらっています。

「埋まらない穴」を持っている映画の中の人物も私も、他者と触れ合い、そして互いに満たし合う。『ダブル・ライフ』を通じて、みなさんとのふれあいが生まれることを心から願っています。

<余園園(ヨ・エンエン)>

監督・脚本・編集

2015年北京電影学院を卒業。仕事をしながら、独学で日本語を勉強し、2018年来日。早稲田大学で一年間の日本語プログラムを修了後、2019年東京ビジュアルアーツ映画学科(現映像学科)に通い、2020年立教大学大学院に入学。万田邦敏教授の元で演出を学ぶ。大学院修了制作として、初長編『ダブル・ライフ』を制作。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022にてワールドプレミア上映され、国内コンペティション部門で最優秀長編作品賞を受賞。その他、第35回東京国際映画祭にて上映、タリン・ブラックナイト映画祭2022に正式出品、昨年イタリアで開催されたバーリ国際映画祭では監督賞を受賞した。現在、映画宣伝の仕事を務めながら、自主映画を作り続けている。

■主演 菊地敦子(小柳詩織役)のコメント

誰もが幾重もの層を持って生きている。

自分に語りかける自分、人に会うときの私、あなたの微笑みの裏側。

そしてその層を抱えながら、ままならぬ人生を歩まなければならないとき、支えとなってくれるもののことを、この役が教えてくれた。

<菊地敦子>

俳優

多摩美術大学芸術学科在学中より東京都現代美術館学芸員補やサイレント映画ピアニスト・柳下美恵氏のアシスタント、アフリカン×ポストロックのインストバンド・panoramaのパフォーマーなどを務める。卒業後、映画美学校アクターズコースにて万田邦敏監督、深田晃司監督、三宅唱監督等に師事。七里圭監督や宮崎大祐監督をはじめとする国内外の映画作家の作品にて主演多数。現代演劇や音楽家とのミュージック・ビデオ、写真モデルなど幅広い領域で活動している。

■海外 Edvinas Pukstaのコメント(タリン・ブラックナイト映画祭より)

繊細かつ率直で大胆なデビュー作で、中国の余園園監督は、誰かの人生の重要な出来事のために代理の人間をレンタルするという、日本では珍しい奇妙な習慣を繊細に探求している。巨匠ヴェルナー・ヘルツォークは2019年の映画『ファミリーロマンス社』で日本人特有の習慣や厄介なサービスを暴露したが、北京電影学院の卒業生であるヨはもっと勇敢で、偽物の人間関係の危険な課題に深く飛び込んでいる。聡明で自信に満ちたこの作家は、一見ロマンチックなミニマリスト・ドラマに、残酷で胸を締め付けるようなひねりを加えて私たちを驚かせる。

※ タリン・ブラックナイト映画祭とは?

エストニアの首都であり最大都市のタリンで1997年から開催されている国際映画祭。北ヨーロッパに位置するエストニアの首都であるタリンはバルト海に面する湾岸都市で、スカイプが開発された地として知られる。作家性やメッセージ性の強い作品を主に上映する北欧で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭。

【あらすじ】

二人の夫の間を彷徨い 暗闇を抜けたとき 一羽の蝶が蘇るーー

一緒に行くはずだったワークショップを夫にキャンセルされた詩織(菊地敦子)は、同僚から紹介された代行業者の淳之介(松岡眞吾)に夫役を依頼。淳之介に満足した詩織は夫に内緒でアパートを借り、彼と疑似夫婦生活を始める。夫とレンタル夫との間を行き来する二重生活を送る中で、詩織は封印したかつての夢や、心の奥底に眠る新たな感情に次第に気づいてゆく……

【キャスト】

菊地敦子

松岡眞吾 古川博巳 若狭ひろみ

浅田麻衣 川口紗弥加

【スタッフ】

監督・脚本・編集:余園園

撮影 :小濱匠

照明 :村澤慎太郎

録音 :西田壮汰

助監督 :小林勁太

制作 :小林徳行

美術 :閻作宇 周暁トウ

撮影助手 :永原大祐

録音応援 :菅谷拓人

日本語協力 :伊藤駿

整音 :磯沼瑞希 上戸幸輝

カラリスト :潘澤標

音楽 :川島陽

ピアノ :川島有希枝

振付 :砂連尾理

宣伝デザイン :千葉健太郎

宣伝 :よしのまどか

協力 :万田邦敏

2022年/日本・中国/DCP/104分/アメリカンビスタ/ステレオ

(C)2022 ENEN FILMS

予告編 : https://youtu.be/eif3EP1-QMs (13日18時公開)

公式X(旧:Twitter)アカウント: https://twitter.com/Daburu_Raifu

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