弟に続き兄も去就確定。長らくホンダで活躍したネストール・ジロラミがヒョンデ陣営に移籍/TCR

 人気スポーツのツアー制を手本としたTCR世界戦の初年度にて、ノルベルト・ミケリスとともにチャンピオンを獲得したヒョンデ・モータースポーツ・カスタマーレーシング部門が新たなドライバー体制を発表。2024年に向けFIA(国際自動車連盟)ステータス認証を取得した新生FIA TCRワールドツアーに3台目のマシンを投入し、ネストール・ジロラミの起用をアナウンスしている。

 長年ヒョンデ陣営の前線チームとして成功を収めてきたBRCヒョンデNスクアドラ・コルセは、王者ミケリスと僚友のミケル・アズコナの強力な2枚看板に加えて、南米アルゼンチン出身の34歳を迎え入れる。

「こうして2024年シーズンのFIA TCRワールドツアーに、ヒョンデ・モータースポーツ・カスタマーレーシングやBRCヒョンデNスクアドラ・コルセに加入できることを非常にうれしく思う」と、まずは新天地移籍の喜びを語ったジロラミ。

 近年は紆余曲折を経て、シリーズ名称や開催方法が二転三転してきたツーリングカーの世界戦だが、そんな混乱期でもジロラミは最前線のドライバーであり続け、2019年以降は同郷のエステバン・グエリエリとともに“アルゼンチン・エクスプレス”を結成。

 長らくホンダ陣営のドライバーとして活躍を演じ、昨季は散発的なプログラムながらTCRワールドツアーで年間総合6位を記録。その傍ら、イタリアのJASモータースポーツの契約ドライバーとしてFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRの開発にも携わってきた。

新生FIA TCRワールドツアーに3台目のマシンを投入し、ネストール・ジロラミの起用をアナウンスした
昨季はJASモータースポーツの契約ドライバーとしてFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRの開発にも携わった

■新たな挑戦に「とても楽しみ」と意気込むジロラミ

「新しいメーカーと新しいチームに移籍することは、僕のキャリアのなかでも新たな挑戦になるが、とても楽しみにしている」と、イタリア出身の大先輩ガブリエル・タルキーニの足跡を辿りつつあるジロラミ。

「このチームは前年度のシーズンにも大きな成功を収めているから、多少のプレッシャーはあるが、すぐにチームに溶け込み勝利を争えると感じている」

「もちろん、目標はFIA TCRワールドツアーのドライバーズタイトルを獲得し、ノルビやミケルとともにチームのタイトル獲得に貢献することだ。彼らが今シーズン、僕にチームの一員として招いてくれた信頼にとても感謝している。ヴァレルンガ戦に向け協力し、準備を始めるのが待ち切れないね」

 これで2022年に最後のWTCR世界ツーリングカー・カップ王者に輝いたアズコナと、昨季の初代TCRワールドツアーチャンピオン、ミケリスの僚友に並ぶこととなったジロラミだが、同社のサーキット・レーシング・プロジェクト・マネージャーを務めるジュリアン・モンセも「新シーズンにネストールを我々の陣営に迎え入れられることをうれしく思う」と期待を寄せる。

「TCR競技での彼の実績と経験により、彼はシリーズへの関与を強化するための我々のリスト最上位に位置していた。彼がノルビやミケルとともにBRCヒョンデNスクアドラ・コルセのチームに完璧にフィットすることを我々は知っているんだ」と続けたモンセ。

「今季の目標は、ドライバーズとチームの両方のタイトルを獲得するという新たな挑戦になる。ノルビとミケルが個人の王座を獲得する能力に優れていることは分かっているが、ネストールの追加によりシリーズで優勝できる才能を備えた3人目のドライバーが誕生するだけでなく、ふたたびダブルタイトル獲得を目指す素晴らしいチームラインアップが完成したね」

2022年に最後のWTCR世界ツーリングカー・カップ王者に輝いたアズコナと、昨季の初代TCRワールドツアーチャンピオン、ミケリス(写真)の僚友に並ぶこととなる
BRCが3台体制となったことで、タイトルの掛かる重要な局面での戦略的な選択肢も増えそうだ

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