1966年11月生まれの女性。どうしたら年金を少しでもたくさんもらえるのでしょうか?

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、将来もらえる年金を増やす方法についてです。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。 今回は、将来もらえる年金を増やす方法についてです。

Q:1966年11月生まれの女性。どうしたら年金を少しでもたくさんもらえるのでしょうか?

「私は、若い頃から年金をかけていなかったので、「もらえる年金は少ない」と年金課の方に言われました。私は、年金を少しでもたくさんもらいたいので個人でかけたいのですが、どうしたら少しでもたくさんもらえるのでしょうか。教えてください。私は、1966年11月生まれの女性です」(Yさん)

A:将来もらえる老齢基礎年金を満額に近づけること、付加保険料を支払うこと、または、健康状態などに問題なければ、厚生年金に加入して働くことを検討してはいかがでしょうか

相談者「Y」さんは、1966年11月生まれの女性とのことですので、2024年2月現在、57歳と思います。「若い頃から年金をかけていなかった」ということなので、過去に国民年金保険料を支払っていなかった期間がある、ということかと思います。将来もらう老齢年金を増やしたいのであれば今から国民年金保険料を払うことをおすすめします。 本来、国民年金保険料は、20歳~60歳になるまでの40年間納付する必要があります。40年(480カ月)の間、未納期間が全くない人は、原則、65歳から満額(年間81万6000円/令和6年度)の老齢基礎年金を受け取ることができます。 国民年金保険料の納付済期間が40年に満たないために、満額の老齢基礎年金をもらえない人は、希望すれば、60歳から国民年金に任意加入して保険料を納付することでもらえる年金を増やすことができます。任意加入制度を利用すれば65歳まで国民年金保険料を支払うことができます。 「Y」さんの場合は、まず、今から60歳になるまで国民年金保険料をしっかり納付し、60歳からは、国民年金の任意加入制度を利用して「任意加入被保険者」となり、保険料を納付することで将来の老齢基礎年金の受給額を増やすことができます。 さらに、今から65歳になるまで、国民年金保険料を納付する際に、付加年金を利用すれば将来、老齢基礎年金を多く受け取れます。 付加年金制度とは、国民年金の第1号被保険者(自営業など)や任意加入被保険者が、国民年金保険料に加えて付加保険料(月額400円)を納付することで、「200円×付加保険料を納めた月数」が付加年金額(年額)として老齢基礎年金に上乗せされる制度です。 2年以上受け取ると、納めた付加保険料以上の年金を受け取れる計算になります。申出月から、付加保険料の納付が始まります。 それから、老齢年金は、国民年金保険料を払った人がもらえる老齢基礎年金(1階部分)と、会社員やパートとして働き厚生年金保険料を払った人がもらえる老齢厚生年金(2階部分)があります。 「Y」さんがもし可能であれば、厚生年金に加入して働き、厚生年金保険料を納付することで、65歳から老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされて受け取れます。 できるだけ長く厚生年金に加入して働けば、より多くの老齢厚生年金がもらえます。ご自身の健康状態などを考えて厚生年金に加入できるパートなどの働き方をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。 もし年金以外の収入があり、65歳から老齢年金をもらわずとも生活できるのであれば、繰下げ受給制度を利用すると、将来もらえる年金受給額を増やすことができます。 原則、老齢年金は受給要件(加入期間10年以上ある等)を満たしていれば、65歳からもらえます。希望すれば、65歳から受け取らずに、最長75歳まで受給開始年齢を遅らせることができます。ひと月あたり0.7%増えた年金を一生涯終身にわたって受け取れます。繰り下げする期間が長くなるほどもらえる年金は増えますが、65歳以降の老後生活の資金を年金以外で賄うことができる必要があります。ご自身の収入や、生活資金、貯蓄などを考慮して検討してみましょう。 監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー) 都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。 (文:All About 編集部)

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