累計53万部『数の悪魔』日本数学会出版賞に 算数・数学嫌いを「魅惑の世界」に導く名著はなぜ人気?

『数の悪魔――算数・数学が楽しくなる12夜』(晶文社)が、2024年度 日本数学会出版賞 を受賞した。世界中の子どもたちを算数好きにしてきた累計53万部を誇るロングセラーですで、数学の普及への貢献が評価され、このたびの受賞となった。

『数の悪魔――算数・数学が楽しくなる12夜』は、ドイツの詩人・作家エンツェンスベルガーによる児童読みもの。数の世界のはてしない不思議と魅力をやさしく面白くときあかす、オールカラーの入門書だ。

本書では「数の悪魔」が読者を数の不思議な世界へと誘い、算数・数学嫌いの子供や大人でさえもその世界に引き込まれていく。初版から実に59刷を数えていることからも、広く一般読者に受け入れられていることがうかがえる。年少者への配慮を十分に行いつつも本格的な数学の内容を扱っていることが特徴の一つである。例えば、0と1から始まる数の構成、有理数と無理数、数列の極限、数学における証明とは何か、多面体のオイラーの法則など、数学の入門段階での要点の数々を提示し、それらについて読者が楽しく理解を深められるように構成されている。多大なる数学の普及への貢献が認められ、日本数学会出版賞の受賞に至った。

算数や数学が苦手な子どもから大人までを、楽しく数学の魅力的な世界に導いてくれる名著。この機会にぜひチェックしてみよう。

(文=リアルサウンド ブック編集部)

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