中国、18歳以上の肥満率が16.4%に

中国の18歳以上の住民の肥満率は16.4%に達しています。

今年は中国の「健康体重管理年」です。中国国家衛生健康委員会はこのほど、「成人・児童青少年肥満食養ガイドライン」を発表しました。同ガイドラインによると、中国では18歳以上の住民の肥満率が上昇傾向にあります。児童や青少年の肥満率は急上昇しており、肥満の予防と抑制は一刻の猶予も許されない状況とのことです。同ガイドラインは、さまざまな地域のさまざまな肥満の人に対する栄養と健康のアドバイスを提供しています。

同ガイドラインによると、中国の18歳以上の住民の肥満率は16.4%に達しています。6歳以下では3.6%で、6~17歳では7.9%です。1982年には7~17歳の児童・青少年の肥満率はわずか0.2%でした。都市部の児童・青少年の肥満率は比較的高く、農村部の児童・青少年の肥満率も急上昇しています。ある研究によると、2030年までに中国成人の肥満率は65.3%に達すると予測されます。

同ガイドラインによると、「科学的な減量は順を追って進める」の原則に基づき、脳により思考し、体脂肪や筋肉、各器官を新たなエネルギー状態に適応させ、徐々に新たなバランスに到達させる必要があります。減量は急速であるほど良いのではありません。速すぎる減量は人体の器官組織に損傷を与えやすく、生命に危険を及ぼす場合すらあります。理想的な減量目標は6カ月以内に当初の体重の5~10%を減らすことで、合理的な減量速度は1カ月あたり2~4キロです。

首都医科大学付属北京友誼病院の張忠涛副院長は、「肥満の人は自分の状況に応じて適切な運動種目を選ぶべきだ。例えば膝関節の病変がある人は水泳やサイクリングなどを選び、重い物を背負うことや長時間のジョギングは避けたほうが良い」と紹介し、「ダイエットは8割が食事、2割が運動だ。植物性の食材だけを食べたり、主食を抜くダイエットは、短期間で体重を落とすことができるが、長続きしにくく、副作用をもたらすこともある」と指摘しました。

近年になり「減量の神薬」と呼ばれるセマグルチドがもてはやされるようになりました。ただし中国では現在、2型糖尿病患者の血糖コントロールや減量にだけ処方されます。海外の臨床データを見ると、セマグルチドにダイエット効果があることは確かで、英国、米国、日本などでダイエット薬として発売されていますが、中国では「ダイエット薬版」が承認されていません。

大まかな統計によると、中国では昨年、3万5000件を超える減量目的の手術が行われました。減量のための手術は厳格な適応条件があり、運動や飲食、薬品による効果が不十分と考えられる場合についてのみ検討される手段とされています。(提供/CRI)

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