中国のショートドラマが爆発的人気に、1カ月200万円以上稼ぐ脚本家も

テンポが速く、急展開が多く、ハイクオリティーの超短尺ドラマが最近、中国のショート動画プラットフォームで人気を集めている。

「大人気ショートドラマの脚本家の月収は10万元(約200万円)以上」というハッシュタグが付いた話題が11日、中国のネット上で検索のトレンド入りした。テンポが速く、急展開が多く、ハイクオリティーの超短尺ドラマが最近、中国のショート動画プラットフォームで人気を集めている。

一般的なドラマや映画と比べると、超短尺ドラマには制作費が低く、資金を速やかに回収でき、コストパフォーマンスが高いという特徴があり、参入している制作会社も少なくない。また、各大手動画配信プラットフォームなども資金を投じ、ハイクオリティーの超短尺ドラマを次々と制作し始めている。

ショートドラマ業界関係者の多くが、同業界における収益は現在、極めて好調であるとしている。ショートドラマの脚本料の相場は脚本家のランクによって異なり、大きく四つのランクに分けることができるという。最も低いのは新人脚本家などで1万5000元(約30万円)以下。次に低いのはそこそこ人気になった作品が何本かある、あるいは作品数が比較的多い脚本家で、1万5000~3万元(約30万~60万円)。そして、大人気となった作品がある、またはそこそこ人気となった作品が多数ある脚本家が3万~5万元(60万~100万円)で続き、最も高いのは大人気となった作品が多数ある脚本家で5万元(約100万円)以上となっている。脚本家にとって、追加支給されるボーナスの有無が、がっぽり稼げるかどうかの重要なポイントとなる。ショートドラマの場合、課金が500万元(約1000万円)以上となると、脚本家には収益の1000分の5から100分の3ほどがボーナスとして支給される。その収益が500万元を超えた人気作品の場合、およそ10万元のボーナスが脚本家に追加支給されることになる。

関連の話題が検索のトレンド入りしたのをきっかけに、多くのネットユーザーがソーシャルメディアに「超短尺ドラマを見たことがあり、見始めるとついつい夢中になってしまう」といったコメントを寄せている。中国のショートドラマは国内だけでなく、海外のネットユーザーの間でも人気を集めている。

中国の縦型ショートドラマ「狼王的烙印(Alpha Of Aberdeen)」が2月27日、米カリフォルニア州ロサンゼルスのハリウッド大通りにあるTCL・チャイニーズ・シアターで開催された「GoldenState Film Festival」で上映された。中国の縦型ショートドラマが米国の主要映画祭で上映されるのはこれが初めてのことだ。

ショートドラマが中国国内外の視聴者を魅了するのはなぜなのだろうか?

超短尺ドラマのコンテンツの特徴は、その「短さ」と「くせになる」の2つにまとめることができる。そしてこの2つの特徴は、現代の人々のスマホを利用する際の客観的ニーズと、感情的な主観的ニーズを満たしていると言えるだろう。

「2023ショートドラマ業界研究報告」によると、同年のショートドラマ市場の規模は373億9000万元(約7478億円)に達し、今年は500億元(約1兆円)を超える見通しだ。2023年1-8月期、中国で制作の届出があった超短尺ドラマは3574作品だった。そのため、業界関係者は、「2023年は有料ショートドラマ元年となった」との見方を示す。2027年には、中国の超短尺ドラマ市場の規模は1000億元(約2兆円)の大台を突破すると予想されている。 同時に、現在の超短尺ドラマ人気について、中国国家話劇院の田沁●(ティエン・チンシン、●は金が三つ)院長は、「超短尺ドラマは制作費が少なく、資金を速やかに回収でき、コストパフォーマンスが高く、その収益が大きいため、インターネットによる配信に適している。ただ、一部のコンテンツは作りが雑なため、構想をしっかり立てた上で、本当の意味で視聴者に楽しんでもらえるようにしなければならない」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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