岸田首相「昨年上回る賃上げの流れ心強い」、春闘の回答状況で

Kentaro Sugiyama

[東京 13日 ロイター] - 岸田文雄首相は13日夕、2024年の春季労使交渉(春闘)のこれまでの回答状況を受け「昨年を上回る力強い賃上げの流れができていることを心強く思う」と述べた。

中小企業などにこの流れを広げていくため、政府としてあらゆる手を尽くしていくと語った。経済界や労働団体の代表者と意見交換する政労使会議であいさつした。

政労使会議の開催は23年度に入って3回目。中小、零細企業の賃金交渉に弾みをつけるため、今回は多くの大手企業が労組要求に回答する集中回答日に合わせた。

首相は、中小、零細企業が賃上げの原資や余力を確保できるよう、政府として下請け法の違反行為に厳正に対処していくと強調。公正取引委員会に対して特別調査の実施と、取り組みが不十分な事業者について独占禁止法のもとで運営事業者名を3月中に公表することを要請した。

今年の最低賃金の引き上げ額については、公労使3者構成の最低賃金審議会でしっかり議論してほしいと述べた。その上で「2030年代半ばまでに1500円とする目標について、より早く達成ができるよう官民連携して努力していく」と語った。

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