キットカット、ミロ、チョコボール...チョコレート菓子値上げ 背景に「ビーンショック」いつまで続く

チョコレート菓子が、値上げだ。帝国データバンクが2024年2月29日に発表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、3月の値上げ商品は728品目。なかでも、カカオ豆の価格高騰による「ビーンショック」を背景としたチョコ菓子が目立つ。

「キットカット」や「ミロ」を販売するネスレや、森永製菓が商品の値上げを行う。

カカオ豆が産地で不作

チョコレート菓子値上げの影響とされる「ビーンショック」は、チョコの原料となるカカオ豆が、産地の天候不順で不作となり、価格が急騰することを指す。

ネスレ日本は3月1日から、「キットカット」の価格改定と内容量の変更を行った。原材料価格の高騰に加え、円安の進行を理由に挙げた。ココア味の麦芽飲料「ミロ」など3商品の値上げも、6月1日出荷分から順次行うとしている。

森永製菓は4月1日から、チョコ菓子の「チョコボール」、「パックンチョ」などを、3.3~18%程度値上げする。

同社では、「トマトやオレンジ、カカオ豆など局所的な価格高騰が続く原材料もあり、ケチャップやジュース、チョコレートなど関連する食品群では引き続き値上げ機運の高まりもみられる」と説明している。

カカオの価格上昇はさまざまな要因

調査担当者の帝国データバンク情報統括部・飯島大介氏を取材した。「ビーンショック」の影響のめどは、まだ見えないと話す。

「今回の商品値上げの原因は、カカオの先物取引市場価格が、2023年5月は1キロ400円手前だったのが、6月から2024年1月までは400円、500円、600円で推移し、24年2月は1キロ800円と2023年5月の倍になったこと」

と指摘。さらに、原産国・西アフリカの政情不安による流通ルートの混乱、熱波・水不足による不作などのさまざまな要因が重なってカカオの価格上昇が起きている。ビーンショックについては、「現段階では『いつまで』という先の予測ができない」とした。

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