「さわやか」創業者の富田重之さん死去「げんこつは父の愛情 おにぎりには母の愛情を」ハンバーグに込めた思い

静岡県民にはおなじみ「炭焼きレストランさわやか」の創業者で会長の富田重之さんが、3月12日亡くなりました。多くの人に愛されるハンバーグを誕生させた背景に富田さんのこだわり抜いた経営姿勢がありました。

【写真を見る】「さわやか」創業者の富田重之さん死去「げんこつは父の愛情 おにぎりには母の愛情を」ハンバーグに込めた思い

牛肉100%で炭火焼きでカットするとあふれる肉汁。「レストランさわやか」の看板メニュー、“げんこつハンバーグ”です。このハンバーグの生みの親でもあり「さわやか」の創業者でもある富田重之さんが12日、浜松市内の病院で老衰のため、亡くなりました。87歳でした。

富田さんは1977年7月に静岡県菊川市に1号店をオープン。現在は、県内で34店舗を展開するまでに拡大し、静岡県外からも多くの客が訪れ、行列の絶え間ない店になっています。

<静岡県民>
Q創業者の方が亡くなったが?
「知らなかった」
「しっかり肉だなと歯ごたえあるハンバーグ」
「肉汁、やわらかさ求めているのがすべて満たされる」

全国から人気を集めた理由ー富田さんの“お客さんを楽しませ元気にしたい”という経営姿勢にありました。

「さわやか」ではお馴染みのハンバーグの調理を客の目の前で仕上げるスタイル。ソースをかけて音や香りも楽しめる演出も富田さんが考えました。

富田さんは当時、「げんこつハンバーグ」に込めた思いをこう話しています。

<さわかや創業者 富田重之さん>
「『げんこつハンバーグ』はお父さんの愛情を込めた、『おにぎりハンバーグ』はお母さんの愛情を込めた。(私は)若いころ、病気を長くやっていた。それでお父さんとお母さんの愛情がよくわかって、次の世代にも大切なことを分かってもらってもらおうと思って作った。子どもの成長を願って作る愛情料理。だから、安全と健康と元気の出るおいしさが丸い大きなハンバーグに込めている」

「炭焼きレストランさわやか」は社員たちのお別れの時間を設けるため、あす14日の営業を全店舗で終日取りやめると発表しています。

社員によりますと、富田さんはアルバイトの名前を覚えるなど、社員とのつながりを大切にし、社員からも慕われていたということです。

© 静岡放送株式会社