メジャー復帰を目指しているトレバー・バウアーの去就が注目を集めている。現地時間3月10日には、若手選手などで構成されるトラベリングチーム「アジアン・ブリーズ」の一員として、久しぶりに米国内でピッチングを披露。ドジャース傘下のマイナー選手を相手に投げ、3回無失点4奪三振と好投した。
MLB通算83勝、サイ・ヤング賞受賞など輝かしい経歴を誇り、昨年は日本でも二桁勝利を記録するなど、その実力を示した。ドジャース在籍時の2021年シーズンに持ち上がった性的暴行疑惑により出場停止処分が科され、米球界のマウンドから遠ざかることになったものの、33歳となった現在もMLB復帰への意欲は高いままだ。
トラブルに関する訴訟は昨年和解が成立し、3シーズンぶりのメジャーでのプレーへアピールを続けるバウアーには、現地メディアでもさまざまな反応が上がっている。
現地時間3月12日には米スポーツサイト『sportskeeda』が元MLB選手など識者の声を紹介する特集記事を配信している。
その中では、米国内でポットキャストの司会を務める元メジャーリーガーのトレバー・プルーフがバウアーの復帰について、「多くのチームが依然として反発に対処することを重要視している」と見解を示したことが紹介されている。それに対し、バウアーの代理人であるレイチェル・ルーバが、アジアン・ブリーズで参加したゲームで「大歓声に包まれていた」ことなどを挙げ、SNSを通じて反論したという。
ルーバ氏のコメントは「メディア関係者は大規模な反発があると主張し続けているが、そこにある証拠はそうではないことを示唆している」という内容であり、ゲーム当日のバウアーへのファンの反応がポジティブなものだったことを強調している。
また、同メディアは「ルーバは、元ドジャースのエースと契約すれば、どのチームもネガティブな報道を受けることになると言っているのは、一部のメディア関係者に過ぎないと考えている」と指摘。
その上で、「メディア、ポッドキャストや他の番組での会話、そしてルーバの反応から、トレバー・バウアーとMLB球団との契約の可能性をめぐる状況の複雑さが浮き彫りになった。多くの専門家によれば、バウアーが今オフに契約を結ぶ可能性は低いという」との見通しを示している。
米球団の慎重な姿勢は変わらないとしながらも、国内の野球ファンは異なる反応であり、元サイ・ヤング賞右腕のパフォーマンスも決して衰えをみせていない。だが、それでもやはり、バウアーのメジャー復帰は今後も茨の道が続くことになるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部