赤彩球胴甕にスポット 蝦夷の歴史ひもとく 鬼の館・埋文展【北上】

赤彩球胴甕の研究成果を紹介している埋蔵文化財展「鬼が愛した赤い甕」

 第31回埋蔵文化財展「鬼が愛した赤い甕(かめ)」は、北上市和賀町岩崎の市立鬼の館で開かれている。市内の和賀川流域で数多く見つかった「赤彩球胴甕」にスポットを当て、土器の出土エリアから蝦夷(えみし)たちの歴史をひもといている。24日まで。

 鬼のごとく恐れられた蝦夷が作っていたとされる赤彩球胴甕は、赤く塗られた球のように丸い胴部と、赤彩文様を施した口辺部が特徴。実用ではなく、奈良時代から平安時代にかけて戦闘時の祭祀(さいし)などに用いたとされ、北上川最大の支流である和賀川下流域の北側を中心に豊沢川や雫石川、宮城県の迫川の周辺からも掘り出されている。

 同展は観覧無料。時間は午前9時~午後5時(最終入館4時30分)。

© 岩手日日新聞社