【中国】米アップル、中国で投資拡大=開発強化[IT]

米アップルは12日、中国で研究開発(R&D)能力の強化に向けた投資を拡大すると発表した。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」やタブレット端末「iPad(アイパッド)」、ゴーグル型端末「Vision Pro(ビジョンプロ)」の開発能力を強化する。

上海市にある既存の研究開発センターの能力を高め、全製品の信頼性、品質、材料分析をサポートする。広東省深セン市では年内に応用研究実験室(ラボ)を新設し、現地のサプライチェーン(供給網)との連携を深める。iPhoneやiPad、Vision Proなどの製品のテストや研究能力を増強する。

アップルは現在、北京市、上海市、江蘇省蘇州市、深セン市に研究開発センターを持つ。過去5年で中国の研究チームの規模は2倍に増えたという。これまでに先端応用研究ラボへの投資額は10億元(約208億円)を超えた。

ラボは生産・組み立て拠点に隣接して設置され、世界中のエンジニア・設計チームにリソースを提供し、プロトタイプのテストや全てのデバイスがアップルの品質・性能基準を満たしているかどうかなどを確認している。

第一財経日報(電子版)によると、アップルの研究開発向け投資は年間数百億米ドル(1米ドル=約147円)の規模で、2023年は約300億米ドルだった。アップルは製品の95%を中国で生産、組み立てており、JPモルガン・チェースは中国のアップルサプライヤーが全体に占める比率は25年に24%と、22年の7%から大幅に上昇するとみている。

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