自動運転バス、石垣島で今秋から実験 南ぬ浜町から離島ターミナルの約3キロ 実験中は料金無料 市・NTT・マクニカ・東運輸が協定

 沖縄県石垣市は12日、NTT西日本(大阪市、森林正彰社長)、マクニカ(横浜市、原一将社長)、東運輸(石垣市、松原栄松社長)とバスの自動運転による地域活性化の包括連携協定を結んだ。早ければ4月に国へ申請し、今秋から実証実験に乗り出す。中山義隆市長は2次交通や将来的な人手不足を課題とし「住民や観光客の満足につながる」と話した。自動運転でNTT西日本と自治体が協定を結ぶのは初めて。同社の森林社長は「ぜひプロジェクトを成功させたい」と期待を込めた。

 バスは自動運転技術開発に取り組むマクニカの電気自動車。11人乗りで、カメラやGPS(衛星利用測位システム)などを用いて走行する。石垣市でクルーズ船が停泊する南ぬ浜町から離島ターミナルの約3キロを結び、一定条件下で無人運転が可能な「レベル4」の実現を目指す。実証実験ではバス1台でオペレーターが乗車する。期間中の料金は無料で、利用者アンケートなどから額を決める。

 マクニカの原社長は「安心安全で快適な新しい公共交通の仕組みづくりに役立てることができれば」、東運輸の松原社長は「住民の利便性だけでなく、観光客にもアピールできる」と述べた。

(八重山支局・平良孝陽)

包括連携協定を結んだ(左から)マクニカの原一将社長、石垣市の中山義隆市長、NTT西日本の森林正彰社長、東運輸の松原栄松社長=12日、石垣市役所

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