中国、2024年の経済発展の方向は?―仏メディア

RFIは全人代で示された今年の中国経済の方向性について紹介する記事を掲載した。写真は上海の外灘。

仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、先日の全国人民代表大会(全人代)会議で示された今年の中国経済の方向性について紹介する記事を掲載した。

記事はまず、今年の中国の成長目標が昨年の目標と同じ「5%前後」に設定されたと紹介。国民は景気回復を期待しているものの、不動産危機や若者の記録的な失業率、家庭消費の冷え込みなどの問題に直面する中で、景気の回復が進まない状況が続いていると伝えた。

また、雇用についても昨年と同じ1200万人以上の雇用創出という目標を掲げたとする一方、この基準は都市部のみを対象としており、何百万人もの出稼ぎ労働者や、より不安定な環境で暮らすことの多い農村部の状況は反映されていないと指摘。同様に、失業率5.5%という目標も都市部住民のみを対象としているとした。

さらに、中国はここ4カ月デフレ状態が続いており、特に1月の消費者物価指数が過去14年間で最も大きな下落幅となったことを紹介。中国政府は景気回復を支えるために昨年、財政赤字を対GDP比3%にまで引き上げており、今年も同様の水準となるよう目標を立てたと伝えた。

このほか、公共支出を昨年より1兆1000億元(約22兆円)増やして28兆5000億元(約570兆円)に設定するとともに、「重要分野の能力を強化する」ために1兆元(約20兆円)の国債を発行すると紹介。また、新型コロナ対策で枯渇し、不動産危機で重要な収入源を失った地方政府を支援するために3兆9000億元(約78兆円)の債券も発行するとした。

記事は、昨年の外資による中国への投資が前年比82%の大幅な減少になったことを紹介し、中国政府が「中国を外国投資の好ましい目的地にし、外国人が中国で働き、学び、旅行することを容易にする」との方針を示したものの、具体的な対策は打ち出していないと伝えた。(翻訳・編集/川尻)

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