英政府が外国政府による報道機関買収阻止の法改正案、テレグラフ紙念頭か

Andrew MacAskill William James

[ロンドン 13日 ロイター] - 英政府は13日、外国政府による国内報道機関の買収を事実上阻止するための法改正案の概要を明らかにした。実現すれば、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国が出資する投資会社レッドバードIMIが目指している、保守系英紙デーリー・テレグラフの買収を政府が差し止める権限が与えられる可能性がある。

デーリー・テレグラフ買収を巡っては、メディアの独立性や政治的な影響力を持つ資産が外資の傘下に入ることなどについて懸念が浮上している。

こうした中で英政府高官の一人は、法改正はレッドバードIMIが現在の方式でデーリー・テレグラフを取得することを実質的に防ぐことになると説明した。

スティーブン・パーキンソン上院議員は「われわれはメディア合併の制度を修正し、新聞や定期発行雑誌が外国によって所有されたり、影響下に置かれたり、支配されたりする道を排除することを明らかにしていく」と述べた。

パーキンソン氏によると、今回の法改正で政府は問題のありそうなメディア合併案件に関しては、全て競争・市場局(CMA)に調査を委ねる義務が発生する。

その後CMAが、当該案件は外国に所有、支配されるか、その影響下に置かれた、もしくは置かれると判断すれば、政府は計画を阻止するか撤回を命じなければならないという。

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