馬にも花粉症ってあるの?

寒かった冬が過ぎ、少しずつ暖かくなってくると花粉症に悩まされる方も多いのではないでしょうか。くしゃみや鼻水などでレッスンに集中できず、とても辛いですね。

ところで、馬も人と同じように花粉症に悩まされることがあるのでしょうか?
今回は、馬の花粉症についてまとめました。

実はよく分かっていない?

まず人の花粉症は、その名の通り、特定の植物の花粉(アレルゲン)によって引き起こされます。花粉症のアレルゲンとして最も多いのがスギやヒノキ、ブタクサの花粉です。

馬が人の花粉症と同じような症状が出ているのを見たことがあるとの話しも聞きますが、馬の研究機関の専門家によると、春先に馬が目のかゆみやくしゃみに悩まされるという話しは聞いたことがないそうです。
確かに乗馬クラブなどで、春になるとくしゃみや鼻水がひどくてレッスンに出せない馬がいるという話しは聞いたことがありません。

ただし、馬の花粉症について研究している研究者がほとんどいないため、現時点において馬に花粉症があるか否かは断言できないというのが結論です。

馬も人も同じ哺乳類なので、人と同じような免疫疾患があったとしても不思議ではありません。
今後馬の花粉症についての研究が進んで明らかになる可能性はありますが、現時点では馬に花粉症があるとは言い切れないようです。

馬がなる一般的なアレルギー症状

草食動物である馬が、花粉や植物体に対してアレルギー症状を引き起こしてしまうと種の存続にも関わるため、植物アレルギーは少ないと考えられています。とはいえ馬も人と同様に、アレルギー発症の引き金となる免疫グロブリンE(IgE)というタンパク質を体内でつくることができます。そのため馬にもアレルギー症状はあるのですが、人と馬とではアレルゲンに対する反応の程度が異なっており、人に比べて馬の方が比較的軽い症状で済むそうです。
また馬の場合、人よりも鼻が長いことでアレルゲンを排除する機能が優れており、アレルゲンが体内に入りにくいため症状が現れないことも多いようです。

馬のアレルギー症状としては蕁麻疹が最も多く、皮膚一面に小豆大から500円玉くらいの大きさの発疹が現れます。発疹と共に微熱を伴う場合もあります。特に皮膚の弱い馬は頻繁に蕁麻疹の症状が出ます。
虫刺されやストレスなどがアレルギーを引き起こす要因とされていますが、実際のところ原因は特定されていません。治療には通常、抗ヒスタミン剤を注射することが一般的です。2~3日安静にしていれば症状は治まります。

イギリスの研究者の報告には、乾草が原因で肺や呼吸器にアレルギー症状を発症することが書かれています。春になると咳や発熱、ヘッドシェイキング(頭を振る動作)の症状が増えるそうです。しかしこれも乾草がアレルギーの誘発物質の可能性のひとつであることを示唆したものであり、乾草以外にも敷料のホコリやカビ、ダニがアレルギー症状の誘発物質である可能性も高いとのことです。

馬以外の動物の花粉症は?

馬以外の動物の花粉症についてですが、犬や猫には明らかな花粉症の症状が出るそうです。ただし、人のような呼吸器官への症状よりも、目の周りがかゆくなるといった皮膚疾患の症例が多いそうです。そのため爪で眼球を傷つけてしまい、結膜炎や角膜炎になる危険性があるので注意が必要です。

犬や猫では、アトピー性皮膚炎の原因物質であるアレルゲンの特定をおこなう検査が一般的です。血液検査やスタンプスメア検査(顕微鏡で細菌などのアレルゲン物質を調べる検査)でかなり細かく調べることができます。

血液検査では、人と同じくスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉がアレルゲン物質として特定されることが多いそうです。
特に猫はブタクサによるアレルギーが多いので、春よりも秋に症状が多く出るそうです。
家に入る前には洋服についた花粉などを落とし、アレルゲンである花粉を室内へ持ち込まないように気をつけたいものですね。

犬の場合、花粉以外にも鶏肉などの食品やハウスダスト、煙草の煙など、アレルゲン物質が非常に多いそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は馬に花粉症があるのか、についてまとめました。
馬の花粉症についての研究がほとんどおこなわれていないため、明確に花粉症があるのかはわかりませんでした。ただし、花粉症以外のアレルギー疾患は存在するようですので、将来的に馬にも花粉症があるとの研究結果が出るかもしれませんね。

アレルギー症状は、慢性的な病気に繋がる可能性があります。症状が一度出てしまうと、長引いたり繰り返したりと完治が困難になることも多いそうです。
日頃から馬房は清潔第一を心がけ、馬にも快適な生活を送って欲しいですね。

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