農業所得向上策学ぶ 茨城・神栖、行方の生産現場視察 AFGC

生産者方でサツマイモの選別作業を見学する一行=行方市内

アジア11カ国の農業団体で構成する団体「協力のためのアジア農業者グループ(AFGC)」の視察団が13日、茨城県の神栖、行方両市を訪れ、JAなめがたしおさいの生産現場を見学した。主力農作物のピーマンとサツマイモの生産と、農業所得向上に向けた取り組みについて理解を深めた。AFGCが茨城県を視察するのは初めて。

全国農業協同組合中央会(JA全中)が主催。JAなめがたしおさい、JA県中央会が協力した。

視察団はベトナム、台湾、スリランカなどの農業団体役員ら11人。行方市内ではサツマイモの産地形成の取り組みを学んだ。JAなめがたしおさいの担当者は、2001年に始めた「焼き芋戦略」、イモの鮮度を長期間維持する「キュアリング貯蔵庫」の整備で通年販売が可能になったことなどを紹介した。

一行は、同市のサツマイモ生産者、箕輪正美さん(65)方の作業場で「紅まさり」の選別作業を見学。同JAのキュアリング貯蔵庫を使い、通年でおいしいサツマイモを提供する技術を学んだ。ベトナムから参加した、ウェンティーツゥーハウさん(48)は「最新の技術、マーケティングの利点、自国の技能実習生の必要性を学べた」と話した。

AFGCは1999年、共通の農業の課題を共有し解決するために設立。毎年、各国持ち回りで会合を開いている。視察はその一環。2023年は16年以来、8年ぶりに日本で実施された。

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