後半早々にひとり退場。横浜キューウェル監督が明かした53分の2枚替えの舞台裏【ACL】

[ACL準々決勝第2戦]横浜 1-0 山東泰山/3月13日/横浜国際総合競技場

横浜F・マリノスは3月13日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝第2戦で山東泰山(中国)とホームで対戦し、1-0で勝利。敵地での第1戦(2-1)との合計を3-1とし、クラブ初の準決勝進出を決めた。

この試合で印象的だったのは、後半開始早々の47分に左SB永戸勝也が2枚目のイエローカードを受けて退場処分になってから、53分にDF渡邊泰基とMF山根陸を投入するまでのベンチワークだ。

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横浜は応急処置として左ウイングの宮市亮を左SBに移す。間もなく渡邊がベンチでユニホーム姿になり、コーチ陣から指示を受ける。しかしすぐに交代は行なわれず、むしろ記者席からは投入を躊躇しているようにも見えた。そして山根も呼ばれ、永戸が退場してから6分後に2枚替えとなった。

おそらく前半にヤン・マテウスが負傷して宮市に代えたため、交代枠の関係もあったはずだが、試合後、ハリー・キューウェル監督が次のように明かした。

「慌ててしまうのが自分の中では一番良くないと思っている。もちろん瞬時に判断しないといけないが、確実な判断が大事になる。

1分や2分くらい考えたなかで、もう一度最後に守備のところをフレッシュな状態にしようと思ったので、あの交代になった。

仮に自分が慌てていたら、ひとりしか変えず、ちょっと違う展開になっていたかもしれない」

実際、渡邊と山根は安定感のある守備で無失点に貢献。さらに山根はアンデルソン・ロペスの決勝弾をアシストと攻撃面でも活躍。キューウェル監督の的確な状況判断と交代策は見事だった。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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