「たまご湯」3月末で閉業 一関、住民手作り愛され20年

住民が手作りしたたまご湯。地域内外の常連が閉業を惜しんでいる

 約20年にわたり地域に親しまれてきた一関市千厩町小梨地区の畑ノ沢鉱泉たまご湯が今月末、閉業する。地域おこしを目指して地元自治会が開設、運営してきたが、新型コロナウイルス禍や燃料高騰のあおりを受け、苦渋の決断となった。東日本大震災時を含めたくさんの利用者の心身を温めてきた「手作り温泉」の終幕に、惜しむ声が上がる。

 「このくらい、いいお湯はなかなかないのにね」。汗を流した気仙沼市の漁師が、受け付け当番の高齢者と会話を弾ませる。素朴な雰囲気の休憩室には住民の笑顔の写真、地域づくりで受けた表彰状が並ぶ。

 15年ほど通う一関市大東町の藤森三紀夫さん(70)は「泉質が良く、体がしんから温まるし、湯冷めしない。廃業は本当に残念だ」と名残を惜しむ。

 料金は大人600円、中高生300円、小学生100円。水曜定休で、午前10時~午後5時。

 

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