【早出し】公民館に宅配ロッカー 山形市とヤマト運輸、連携し設置

元木公民館の玄関脇にオープン型宅配ロッカーが設置された=山形市

 宅配便の再配達に伴う二酸化炭素(CO2)排出量の削減などを目指し、山形市とヤマト運輸山形主管支店(同市)は、不特定多数の人が発送や受け取りで使える「オープン型宅配ロッカー」を市内の元木公民館に設置し、13日に運用を開始した。自治体と同社が連携し、公共施設に設置するのは県内で初めて。

 宅配ロッカーは高さ約1.7メートルで、同公民館の玄関脇に設置された。計11の荷物を取り扱うスペースがあり、取り扱い可能な荷物の大きさは3辺(縦、横、奥行き)の合計が120センチ以下となっている。スマートフォンなどを通じて手続きする。24時間対応しているため、いつでも荷物を預けたり、受取場所に指定して取りに行けたりできる利点がある。

 地域に根付いた公民館に置くことで、住民が気軽に利用できる効果を見込む。他県では仙台市や福島県郡山市で同様の設置事例があるという。

 この日、両者による包括連携協定締結式を同所で行い、運用をスタートさせた。佐藤孝弘市長は「ドライバー、利用者、地球環境の三方良しのような形となる。この取り組みをPRして検証し、次の設置場所も検討したい」と述べた。小沢信幸山形主管支店長は、再配達回数の減少は運転手の残業規制強化で物流業界の人手不足が懸念される「2024年問題」への対応にもつながるとの認識を示し、「市民のゼロカーボンの意識が高まることに寄与したい」と語った。

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