林官房長官 東日本大震災のチャリティ公演で「Let It Be」熱唱も「意味わかってる?」と物議

(写真:アフロ)

今年で東日本大震災から13年が経ち、3月11日当日には各地で追悼の行事が。東京都・港区にあるサントリーホールでもチャリティコンサートが行われたのだが――。

そこに姿を現したのは林芳正官房長官(63)。実は今回、出演者として同コンサートに参加した林官房長官。客席から小泉純一郎元総理(82)や鳩山由紀夫元総理(77)らが見守り、五木ひろし(75)や坂本冬美(56)、さだまさし(71)といった錚々たるミュージシャンが出演するなか、林官房長官はピアノの弾き語りでThe Beatlesの名曲「Let It Be」を披露した。

「林官房長官は楽器演奏が得意で、外務大臣時代の’21年12月にはG7外相会合でJohn Lennonの『Imagine』をピアノで演奏しました。自民党の浜田靖一国対委員長(68)らとともに『Gi!nz(ギインズ)』というバンドも結成しています」(全国紙記者)

チャリティコンサートの翌日に行われた会見で、林官房長官は「昨日の演奏にあたりましては、東日本大震災により犠牲になられた皆様への哀悼、また被害に遭われた方々へのお見舞い、そして被災者の力になりたい、そうした思いを込めて精一杯演奏させていただきました」とコメント。

さらに「音楽には人と人を繋ぐ力や、人を元気にしたり寄り添ったりする力があると感じております」と言い、「音楽は私が子供の頃から続けております。私の人生の大切な一部でありまして、Gi!nzの活動を含めて、公務や議員活動と両立しながら続けていきたいという風に考えております」と述べた。

「被災地の力になりたい」という思いを込めて弾き語りを披露した林官房長官だが、X上では、林氏の選曲に対し批判の声が相次ぐことに……。

《演奏するのは良いと思うけど、被災地に向けて“Let It Be”はどうなのさ…。仮にも官房長官が、被災者に「Let it be(あるがままに/なんとかなる)」は…》
《林官房長官、被災地に向けて “Let it be”はないだろう。歌詞の意味分かってる?》

いったいなぜか? その原因は、披露した楽曲である「Let It Be」の歌詞にあるようだ。「Let It Be」というフレーズが繰り返される同曲。しかし「Let It Be」とはそもそも「そのままでよい」といった意味である。

「本作は、ビートルズの中で分裂が起こっているときにつくられた曲として有名です。作詞・作曲をしたポール・マッカートニーは、バンドのごたごたで自暴自棄になっているときに亡くなった母が夢に出てきて、『きっとうまくいくわ、あるがままに(Let It Be)』と語りかけたことが作曲のきっかけになったと明かしています。曲の意味としては、困難があってもどうにかなるよ、と励ますようなもので、ポール自身もチャリティコンサートで歌うことがありました」(音楽誌ライター)

物議を醸しているのは、この歌を歌ったのが“復興を進めていく”当事者である政治家だという点。

「東日本大震災の復興は確実に進んできているものの、いまだに帰宅困難区域があったり人口が戻らなかったりなど課題もあります。また、能登半島地震による被災地の復興がすすんでないことを想起した人も多いよう。そのため、復興を率いていく立場である政治家が”あるがままで大丈夫”と歌ったことに無責任さを感じたようです」(前出・全国紙記者)

被災地のために歌以外でも尽力してほしい!

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