「はしか」感染拡大 都が注意呼びかけ

国内で「はしか」の感染が拡大しています。都内でも今月に入り海外渡航歴のある2人の感染が確認されていて、東京都は注意を呼び掛けています。

はしかは、発熱やせき、鼻水など風邪に似た症状が出るもので、同じ空間にいるだけで空気感染する感染力が極めて強いウイルスです。今月に入り都内でもはしかの感染が確認されています。

東京都によりますと、アラブ首長国連邦から帰国した大阪府の20代の女性と、南アジアへ渡航歴のある5歳未満の男の子を含む2人が確認されているということです。女性と男の子の感染経路は異なるとみられていますが、いずれも、都内の別の飲食店に滞在していて、不特定多数と接触した可能性があるということです。

東京都は小学校入学前までのワクチン接種や、「はしか」を疑う症状がある人は、医療機関に連絡するようよびかけています。

はしかの症状や対策について詳しく見ていきます。はしかは、ウイルスによる感染症で、感染力が非常に強く、マスクでは防げず、はしかに対する免疫を持っていない人が、感染している人に接するとほぼ100%、感染するとされています。

感染経路は主に「空気感染」で、「飛まつ感染」や「接触感染」でも感染します。症状としては、10日から12日間潜伏し、その後、38度以上の発熱及びかぜの症状が2日から4日続いた後、39度以上の高熱とともに、発疹が出るということです。重症化すると肺炎や脳炎などを引き起こし、1000人に1人が死亡すると言われています。

今年に入り、国内で12人、都内でも3人の感染が確認されていて、すでに2021年と2022年を上回っていて、感染の拡大が懸念されています。

なぜ、増えてきているんでしょうか?感染者数が増えている要因として考えられるのが、コロナ禍ではほとんど無かった海外からの人の往来です。日本では2015年に、WHO=世界保健機関の西太平洋地域事務局により、はしかの排除状態にあることが認定されていて、近年のはしかの発生は、海外からウイルスが持ち込まれ、国内で拡大しているとされています。

予防策としては、ワクチン接種のみとなっていて、2回接種することが望ましいとされています。

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