母の死受け北朝鮮から電話 寺越さん「苦労かけた」

寺越武志さん

 1963年に石川県沖の日本海で出漁中に行方不明になり北朝鮮で生存が判明した寺越武志さん(74)が、今年2月25日に呼吸不全のため92歳で亡くなった母友枝さんの訃報に接し、金沢市の妹(71)に電話で連絡してきたことが14日、分かった。「大変苦労をかけた。申し訳ない」と語ったという。

 妹によると、電報で友枝さんの死を伝えていた。寺越さんが自宅に電話をかけてきたのは今月5日。北朝鮮側の国際電話代が高額で、話ができたのは5分ほどだった。最期の様子などを伝えると「兄として何もできず悔しい」と話していた。

 友枝さんは87年に訪朝し、寺越さんが行方不明になってから24年ぶりに再会した。

© 一般社団法人共同通信社