春闘の集中回答日を迎えた13日、大手企業からは大幅な賃上げ回答が相次ぎました。物価高騰が続き生活がますます苦しくなる中で、企業のほとんどを占める中小企業にこの勢いが及ぶのでしょうか。
おいしい焼肉に、仕事終わりの飲み会。さらには子どもの教育費など、物価が高騰する中、楽しみや生活費は削られるばかり。願うは賃金アップですが…。けさ…。
住友電工 人事部長・太田垣 宏さん
「満額の回答とさせていただきました」
関西を代表する金属メーカーの住友電工。賃金を月1万9千円アップし、 ボーナスは5か月分としました。
住友電工 人事部長・太田垣 宏さん
「今後の見通しを考えながら、継続して賃金引き上げをやっていけたらと思
います」
きょう迎えた、労働組合の賃上げ要求に大企業が答える「春闘」の集中回答日。相次いだのは、“大幅な賃上げ”です。
三菱電機でも、満額回答の月1万3000円アップ。
日本製鉄ではなんと月3万円アップの要求を上回る3万5000円の回答で、約50年ぶりの高水準に。
関西の企業では、JR西日本が過去最大の平均月1万9820円のアップを決定しています。
加速する大企業の賃上げ。その一方で、働き手の7割が勤めるのは中小企業です。
松岡製菓・松岡清徳社長
「お金に余裕があるかというと、そういうわけにもいかないので、その中での賃上げは難しいと考えています」
困惑した思いを口にするのは、従業員40人ほどの菓子メーカーの社長。この会社では月7000円の賃上げを検討しているということですが、商品の値段を上げることに直結するため、大きな葛藤を抱えています。
松岡製菓・松岡清徳社長
「同業者の方からは『(商品の)値上げ後に、売り上げが落ちている』と聞いている。大手は比較的利益も出ていて、“最高益”という話も聞くが、中小零細ではなかなか難しいかなと思う」
大阪府内の労働組合でつくる連合大阪では…。
連合大阪 副事務局長・澤谷誓之さん
「中小企業はもともと人件費の割合が非常に高い。約7割~8割が労務費にかかってくる。そういった点で引き上げるのが難しいですが、定昇(定期昇給)を含めて5パーセント以上という形で方針を決めて、物価を上回る賃金をしっかりと確保していく」
様々な思いで受け止めた今年の春闘。 賃上げの勢いは、社会の隅々まで広がるのでしょうか。