ずんだもんを用いた誹謗中傷に運営が注意喚起「キャラクターの本質を損なう」

東北ずん子・ずんだもんプロジェクトの代表・小田恭央さんが、3月14日にXを更新。

「東北ずん子・ずんだもんプロジェクトのキャラクターは『個人の誹謗中傷への利用はNG』となっております」と投稿した。

ずんだもんなど、プロジェクトのキャラクターを用いての誹謗中傷は、利用規約に反すると明示した形になる。

元プロジェクトメンバー榊正宗の投稿が話題に

小田恭央さんがXを通して呼びかけたきっかけは、3月12日に、プロジェクトの初期に深く携わっていた榊正宗さん(プロジェクトを手がけるSSS合同会社の元メンバー。現在は退社)が、Xに投稿した記事にあると見られる。

榊正宗さんは記事で、自身がプロジェクトに携わっていないというデマが浸透していること、一部のずんだもんユーザーからの誹謗中傷に悩まされていることを説明。

今後も過度な誹謗中傷が続く場合は、ずんだもんの使用を禁止するよう動くことも辞さないと綴っている。

この投稿が話題となり、様々な意見が噴出する中で、上記の小田恭央さんによる投稿も行われた。

小田恭央さんは、ずんだもんを用いた榊正宗さんへの誹謗中傷は利用規約に反する行為だと明言。

東北ずん子及びずんだもんは、東北を盛り上げるために生まれたキャラクターであり、誹謗中傷に用いるのは「キャラクターの本質を損なうものとなります」と言及。

「もし批判が必要、と判断された場合はキャラクターではなく、自身の言葉でお伝えください。おそらく必要と判断された批判であれば自身の言葉で伝える方が伝えたい人にも伝わるかと思います」と呼びかけている。

榊正宗「たぶん差止めは無理だと思います」

なお、実際に榊正宗さんがずんだもんの使用を禁止できるのかという点については不明瞭である。

榊正宗さん本人も、小田恭央さんのXへの投稿に応えるため3月14日に公開した記事の中で、「わたしに著作者人格権があったとしても、たぶん差止めは無理だと思いますよ。そうでも言わないと、これまで何度も名誉回復の記事を書いてきても一切拡散しなかったので、思いきって書いたのです」と私見を述べている。

一方で、今後も誹謗中傷が場合は、「SSS合同会社と全面戦争になってでも、ずんだもんを差止めするという厳しい対処をせざるを得ませんので、私への誹謗中傷はほんとうに辞めていただけると助かります。出来るか出来ないかではなく、ずんだもんが存在することで私への攻撃なるのであればそうするしかなくなる…という悲しい決断です」とも綴っている。

SSS合同会社による東北ずん子・ずんだもんプロジェクト

東北ずん子・ずんだもんプロジェクトは、小田恭央さんが代表をつとめるSSS合同会社が手がけているプロジェクト。

東北地方の応援キャラクター・東北ずん子や、その関連キャラクター・ずんだもんのイラスト、3D、音声ソフトウェア等を展開している。

プロジェクトのキャラクターは企業・個人を問わず利用しやすいようにルールが整備されており、東北地域の企業が東北由来のキャラクターを商用利用する際には、ライセンス費用が無料になるなど独自の施策も行われている。

テキスト読み上げソフトウェア「VOICEVOX」では、ずんだもんの音声ライブラリが商用・非商用を問わず無料で使用できるため、ゆっくり実況動画の投稿者にも人気がある。

ずんだもんは二次創作でもよくいじられており、数あるキャラクターの中でも人気は高い。

2022年には、バズワードを決定するドワンゴとピクシブによる「ネット流行語100」にノミネート。ニコニコユーザーによるアンケートで選ばれるニコニコ賞を受賞している。

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