元世界2位のルード、今季復調の理由は4キロの減量だと明かす「僕の体重の5%、これはかなりのものだ」<SMASH>

現在行なわれている男子テニスのマスターズ1000大会「BNPパリバ・オープン」(3月6日~17日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)に第9シードで出場している元世界2位のキャスパー・ルード(ノルウェー/9位)が、大会期間中のインタビューで最近の好調の理由について語っている。

昨シーズンは4月の「エストリル・オープン」(ATP250)で優勝、「全仏オープン」で四大大会3度目の決勝進出を果たすなど得意のクレーシーズンで大活躍したルード。しかし7月の「ノルデア・オープン」(クレー/ATP250)で準優勝して以降はベスト8以上の進出がわずか2回と苦戦を強いられ、11月には21年9月から約2年2カ月にわたって維持してきたトップ10からも陥落していた。

それでも年が明けてからは急激に復調。シーズン最初の四大大会「全豪オープン」は3回戦で敗退したが、先月下旬のロスカボス(ATP250)と翌週のアカプルコ(ATP500)では共に準優勝し、約4カ月ぶりにトップ10に復帰。

今大会も初戦(2回戦)で予選勝者のルーカス・クレイン(スロバキア/141位)、3回戦でアルテュール・フィス(フランス/43位)を破ると、現地13日に行なわれた4回戦では元世界6位のガエル・モンフィス(フランス/現54位)を3-6、7-6(3)、6-4の逆転で下し、自身初の大会ベスト8入りを決めた。準々決勝では世界17位のトミー・ポール(アメリカ)と対戦する。

海外メディア『Tennis.com』によると、今季ここまで15勝3敗と大きく勝ち越しているルードは、「体重を落とした」ことが好調維持の理由だと語る。実は昨年のオーストラリアシーズン終了後から減量に取り組んでいたと言い、昨年2月の時点で84キロだった体重も今では80キロに。減量トレーニングに励んだ理由について次のように話した。
「昨年のオーストラリアシーズンの後、少しトレーニングを行なうために4週間の休みを取った。ウェイトリフティングと筋肉増強に重点を置いたよ。その時の僕は動きが硬すぎたし、重すぎる感じもあった。

太っていたと言うつもりはないが、今よりは身体が少し大きかったから、そのせいで足が重く感じたり、反応が遅くなったりすることにつながったのかもしれない。それは昨年数カ月にわたって感じていたことで、少々気になっていた。十分なスピードがなかったんだ」

トレーニングに加えて「俊敏性を与えるために変えた」のが食生活。「炭水化物や甘いものを減らし、より健康的な食事をすることにした」そうだ。

たゆまぬ努力の結果、「体重は自然に落ちた」とルード。「4キロの減量なんて特に大きな違いはないように思うかもしれないが、それは僕の体重の5%にあたる。これはかなりのものだ」と語り、その成果は確実に出ていると強調した。「少し動けるようになって、柔軟にプレーできるようになったのはいいことだと思う」

今回語られた取り組みの内容からは、世界のトップで活躍し続けたいというルードの強い気持ちが垣間見える。今後もどんなパフォーマンスを見せてくれるのか注目しよう。

文●中村光佑

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