麻しん(はしか)患者が国内で相次ぐ…東京都でも発生

麻しん(はしか)患者の感染事例が報告されています

全国的に麻しん患者の発生事例が相次ぐ中、東京都は2024年3月11日と12日、都内で麻しん患者(臨床診断例)の発生があったと発表した。患者が感染の可能性がある時期に不特定多数の人が利用する施設や公共交通機関を利用していることから注意を呼びかけている。

都内で陽性が確認された麻しん患者は、20代の女性(ワクチン接種歴1回)と5歳未満の男児(ワクチン接種歴なし)。発病は女性が3月7日、男児が3月4日で、共に発熱、発疹の症状などがみられ、発表時点で入院中となっている。

患者の行動歴を調査したところ、不特定多数の人が利用する施設や公共交通機関を利用していることが判明。該当する施設と公共交通機関および利用日時は、びっくりドンキー足立東和店(3月3日午後2時半~3時半ごろ)、東海道新幹線のぞみ24号6号車の新大阪駅から品川駅間(3月7日午後1時45分発、午後4時8分着)、オストレア oysterbar&restaurant 銀座コリドー通り店(3月7日午後9時~11時ごろ)。

また、女性は2月24日にエティハド航空EY830便に搭乗。男児も海外への渡航歴があったとしている。

同じ日時で該当施設などを利用していた場合は、体調に注意し、麻しんを疑う症状(発熱、発疹、咳、鼻水、目の充血など)が現れた場合は、必ず事前に医療機関に連絡し、麻しんの疑いがあることを伝えるとともに、受診の際は公共交通機関の利用を控えて医療機関の指示に従って受診するよう注意を促している。

麻しんは、感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が出現するといわれる感染力がきわめて強い感染症。

3月に入ってからだけでも、京都市や大阪市、名古屋市、岐阜県など、複数の自治体が麻しん患者の発生を報告。厚生労働省も2月26日付で、麻しんの国内外での増加にともなう注意喚起(再周知)を発表するなど、国内の感染例が相次いでいる。特にヨーロッパ地域では麻しんの症例報告数が前年度の30倍以上と急増しており、海外渡航にも注意が必要だ。

川端珠紀

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