再び学校生活送る「準備」に 神村学園武雄校舎で「みんなの学校」 4月から、不登校などの小4~中3対象

不登校などの児童生徒対象の「みんなの学校」が実施される神村学園武雄校舎=武雄市山内町

 武雄市山内町の神村学園武雄校舎で4月から、不登校や引きこもりなどの理由で学校に通えない児童生徒のために振り返り学習を実施する「みんなの学校」が始まる。NPO法人十月の森(本部・武雄市)が同校舎と協力して運営する。毎週金曜日の夕方に2科目を学習し、月1回(土曜日)、体育やレクリエーションも計画している。子どもたちが再び学校で学ぶための準備期間と位置付け、支援につなげる。

 みんなの学校の対象は小学4年から中学3年まで。保護者の送迎も含めて同校舎に通うことが可能なら、武雄市外からでも受け入れる。費用は不要。毎週金曜日の午後4~6時、小学生は国語や算数、中学生は英語や数学などをそれぞれ学ぶ。月に1回程度、作家を招いてイラストや漫画の講座も行う。

 教科書は一切使わず、各科目の教諭が自ら問題を作成して学習を進める。数学の「おいしいスムージーは数学でつくれ」のテーマでは、実際にスムージーをつくっておいしく味わえる果物と水の割合を確かめながら比率について学ぶ。専用の学習ノートも用意する予定で、学びの達成感が味わえるように工夫を凝らす。

 同校舎は単位制・通信制課程の高校として2016年4月に開校した。当初40人だった生徒は増え続け、現在は170人。武雄市内の不登校の児童生徒は19年の64人に対し、22年は126人と約2倍になっている。子どもたちが再び学校生活が送れるように、学びの機会をつくる必要があると考えてみんなの学校の運営を手がける。

 中島央子校舎長は「学校生活は楽しい、勉強は面白い、という気持ちをもう一度思い出してほしい。そんな願いを込めて取り組んでいきたい」と話す。

 みんなの学校は独立行政法人福祉医療機構(WAM)の社会福祉振興助成事業の支援を受けて実施する。武雄市は、中学生を対象に同校舎への通学を支援するための補助金50万円を2024年度一般会計当初予算案に盛り込み、開会中の定例市議会に提案している。(澤登滋)

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