台湾で「ゴジラ-1.0」が上映されない理由は? 3つの仮説―台湾メディア

11日、台湾メディア・民視新聞網は、台湾で「ゴジラ-1.0」が上映されない理由について、3つの仮説を紹介した。

2024年3月11日、台湾メディア・民視新聞網は、台湾で「ゴジラ-1.0」が上映されない理由について、3つの仮説を紹介した。

同日に開催された第96回アカデミー賞授賞式で、山崎貴監督の映画「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞した。記事は、「このような栄誉ある賞の獲得は、1954年の誕生から70年間で初めての出来事であり、北米市場では『歴代2位の日本映画』として、1998年の『劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』に次ぐ1億700万ドル(約159億円)の興行収入を記録。製作費1500万ドル(約22億円)の映画としては、名声と利益の両方を手に入れたと言える」と報じた。

しかし、「日本と北米で素晴らしい興行収入を記録し、このような高い評価を受けているにも関わらず、台湾や他のアジア諸国ではまるで存在していないかのごとく情報がない。台湾の映画ファンが何度も上映について懇願しても上映の兆しすらない。そのため、どうしても『ゴジラ-1.0』を大画面で見たいなら自己負担で日本に行くしかない」と説明。「日本文化を高く評価し、日本と友好関係にある台湾が、なぜ『見られない』という異例の事態に陥っているのか」とし、ネット上で出回っているいくつかの仮説を紹介した。

1つ目は「スケジュールの遅延説」。記事は、「日本ではすでに昨年11月に公開されているものの、海外で上映するには、映画館のスケジュールや宣伝手順、関連商品の生産などが必要なため、台湾では上映が間に合わなかった可能性がある」とした。一方で、「台湾は海外映画を『同時公開』することが多く、場合によっては独占的に『ワールドプレミア』を実施することもあるため、2024年3月になっても依然として公開情報がないのは、仮説としては信ぴょう性がない」とも指摘した。

2つ目は「コストを考慮した説」。記事は、「2016年、有名な日本の監督である庵野秀明氏が総監督を務めた『シン・ゴジラ』は、世界で7800万ドル(約117億)の興行収入を記録したが、台湾の興行収入はわずかに200~300万台湾ドル(約1400万円)と悲惨だったため、東宝は『ゴジラ-1.0』を直接ストリーミングサービスに売却し、台湾の大画面での上映をそもそも考えていなかった可能性がある」と予想した。

3つ目は「軍国主義説」。記事は、「『ゴジラ-1.0』は、第二次世界大戦が終わったばかりの1945年から1947年が物語の舞台になっており、当時の世界情勢や主人公の設定が旧日本軍と関連している。そのため、東宝が近隣のアジア諸国に抗議を引き起こされる恐れやトラブルになる可能性を考慮し、アジアの映画市場を放棄してストリーミングやブルーレイ、DVDの発売を待つしかない状況を作り出したかもしれない」と説明した。

記事は最後に、「いずれの仮説であっても、時間が経つにつれて、台湾の映画ファンが国内のスクリーンでゴジラの英雄的な姿を見る機会はますます少なくなるだろう。『ゴジラ-1.0』がアカデミー賞を獲得した後、一部のネットユーザーは日本で上映が終了する前にゴジラの素晴らしい魅力を直接体験するため、自腹を切って日本へ渡航する決意をした」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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