私服で登校OKの「NO制服DAY」 沖縄の今帰仁中学校、生徒会の発案で3日間

「NO制服DAY」の実施を決めた生徒会長の小泊重仁さん(左から2人目)と執行部のメンバー=12日

 【今帰仁】今帰仁村の今帰仁中学校(松本優一郎校長)で12日から3日間、制服を着ずに私服やジャージーで登校してもよい「NO制服DAY」を実施している。生徒会執行部が発案し、学校と協議の上、実現した。生徒会長の小泊重仁さん(14)は「正しい線引きは何か、みんなに当事者になって考えてほしい」と話した。(北部報道部・玉城日向子)

 「NO制服DAY」を始めるきっかけは、生徒会が校内に設置した意見箱への投書だった。

 同校には「髪の毛と似た色合いの髪留めのみ認める」「靴下の色は黒や白、紺で装飾はワンポイント」「ジャージー登校の際は、季節にかかわらず半ズボンの上から長いジャージーを必ず着る」などの校則がある。生徒からは「髪ゴムの色ぐらい自由でもよいのでは」「制服を着なくてもいい日をつくってほしい」などの投書が寄せられていた。

 生徒会執行部の1、2年生9人で意見を出し合い、2月に学校側へ提案し、実施が決定。「NO制服DAY」と名付け、普段着に関する細かい決まりは設けず、靴下や髪留めの色、帽子の着用も自由にした。

 小泊さんは「今回の取り組みで最も大事なのは『決められた線を守る』のではなく、『どのラインが正しい線引きなんだろう』と一人一人がしっかり考えてみること」と説明する。

 また制服に縛られず、おしゃれを楽しみたい人がいる半面、服装に悩まず制服を着たい人もいると指摘。「自分の責任で決めたなら、どの選択も尊重される。悩むことも楽しんでほしい」と呼びかけた。

 初日の12日、ほとんど私服だったクラスもあれば、制服が多い学級も。小泊さんはお気に入りのシャツとパンツで登校した。「取り組みを通し、みんなが自分らしさを表現できた。多くの人が納得して快適に過ごせる学校にしたい」とはにかんだ。

 生徒会副会長の宮里柚葵(ゆずき)さん(14)は「予想したより私服が多くて驚いた。楽しそうな様子を見られてうれしかった」。執行部の友利唯温(いおん)さん(14)は「友達の新しい一面を知ることができた」と意義を語った。

 生徒会を担当する北島幸三教諭は「多様性の世の中では、ルールなどの線引きを自分たちで考える力が必要になる。自分たちで決めることができれば、納得した学校生活が送れるのでは」と話した。

 「NO制服DAY」の終了後、生徒から校則変更の要望などが出れば、生徒会は学校側と話し合う予定。

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