岡山市民会館 3月31日で60年の歴史に幕 最後を飾るミュージカルも上演

岡山の文化・芸術の発信拠点として親しまれてきた「岡山市民会館」が3月31日、60年の歴史に幕を下ろします。閉館を前に、多くの人に足を運んでもらおうと、ミュージカルの上演などが行われます。

60年もの間、数多くの催しが行われ、人々の記憶を彩ってきました。

日本を代表する建築家、佐藤武夫が設計を手掛け、1963年に完成した岡山市民会館。

約1700人を収容できる大ホールは、大きくせり出した2階の最前列が特等席です。音響とデザインにこだわった凸凹の壁は、職人が手作業で仕上げたものだといいます。

そして、ホワイエには、存在感のあるレリーフや、外光によって表情を変えるモザイクガラスなど粋な工夫が。

ホール以外にも、10の会議室を備えていて、かつては結婚式場としても使われていたそうです。

数えきれない人々に親しまれてきた岡山市民会館ですが、老朽化などのため、31日に閉館を迎えます。

(岡山市民会館/渡辺俊文 館長)
「ステージに立ったことがある方もおられるでしょうし、見に来られた方もおられるでしょうし、最後はぜひ思い出として見に来たり、聞きに来たりしていただけると非常にうれしい」

岡山市民会館では2023年度、さまざまな記念事業を行っていて、3月16日と17日にはミュージカル「夢の降る街」が上演されます。

昭和初期の東京・浅草で歌やダンスを披露する小さな劇場を舞台に繰り広げられる物語です。本番に向けて、総勢62人のキャストが2023年10月から週に3回、練習に励んでいます。

(ミュージカル俳優/清水ゆき さん)
「岡山市民会館で作品を見てミュージカルの道に進もうと、自分の進路を決めたメンバーもいるので、『みんなの人生が詰まった場所』というのが岡山市民会館だと思います。舞台に生きる人たち、劇場を愛する人たちが集った物語なので、市民会館のためにあるような作品です」

昭和の面影を残す建物が姿を消すのは寂しくもありますが、多くの人の心に残り続ける場所ではないでしょうか。

ミュージカル「夢の降る街」は16日と17日の2回上演されます。問い合わせは(☎086ー226ー8890)まで。

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