田辺市が労務管理など改善計画 職員急死で第三者委の提言受け、和歌山

田辺市役所(和歌山県田辺市で)

 2018年に和歌山県の田辺市危機管理局長として台風の災害対応に当たった中野典昭さん(当時57)がその直後に脳出血で亡くなった件を巡り、市は13日、再発防止策をまとめた改善計画を明らかにした。

 この件を巡っては、弁護士らでつくる「第三者調査委員会」が1月、真砂充敏市長に報告書を提出。避難情報を発令する場合の判断権者が曖昧であるなど、市の組織上の問題点が中野さんへの負荷を強めた可能性があると指摘した上で、「個々の職員の働き方」「危機管理局の業務」「市の防災体制」の三つに分けて再発防止策を提言していた。

 これを受けて市は、改善計画を作成。この日開かれた市議会全員協議会で報告した。

 計画では、長時間連続勤務の制限▽災害対応時における交代制の構築▽職員の健康管理への対応▽避難指示などの判断権限の明確化▽業務量の削減・効率化―などに取り組んでいくとしている。

 全員協議会の冒頭、真砂市長は「これまでの市の対応について深く反省し、私自身も含め、強い思いを持って職員の意識改革に取り組む必要があると考えている」と話した。

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