【高校受験2027】熊本県立高入試、前期・後期を一本化

現行入試制度と新制度の比較

熊本県教育委員会は2024年3月12日、2027年度(令和9年度)県立高等学校入学者選抜から新制度を実施することを公表した。これまでの前期(特色)選抜と後期(一般)選抜を一本化する。

熊本県教育委員会は、「県立高等学校のあり方と今後の方向性について~新しい時代に対応した魅力ある学校づくりへ~」の提言を受け、外部有識者による「県立高等学校入学者選抜制度検討委員会」を設置し、入学者選抜制度の改善について検討してきた。

新制度は、2027年度(令和9年度)入学者選抜から実施する。2023年度(令和5年度)の小学6年生からが対象となる。公表された概要では、「A日程」および「B日程」を設ける。「A日程」は、現行の前期(特色)選抜と後期(一般)選抜を一本化して実施するもの。「B日程」は、現行の二次募集にあたるもの。「A日程」では、1回の受検で「特色選抜」と「一般選抜」を実施する。「B日程」は、「A日程」の選抜で合格者数が募集定員に満たない学科・コースにおいて実施する。

「A日程」は、全日制課程および定時制課程の全学科・コースにおいて実施する。実施時期は3月上旬 とし、私立高校と日程調整を行い、あらためて2024年度中に決定する。出願先は、1校限りとする(1校の中での学科・コースの併願は、一般選抜のみ可)。「特色選抜」および「一般選抜」の募集人員は、県で定めた範囲で各高等学校が設定する。「特色選抜」は募集定員の10~50%の範囲、「一般選抜」は募集定員の50~90%の範囲とする。

また、全受検生を対象として5教科(国語、社会、数学、理科、英語)の学力検査を実施するとともに、学科・コースによっては「特色選抜」に係る検査として独自検査を別途実施する。検査は、2日間で実施する。1日目は、5教科の学力検査、2日目は独自検査(実施する学科・コースのみ)。合格発表は、2つの選抜の区別なく行う。なお、中高一貫教育(連携型)選抜については、県立小国高等学校で実施している中高一貫教育(連携型)選抜「小国中学校および南小国中学校からの志願者のみ対象」を「特色選抜」の1つとして実施する。

「B日程」は、「A日程」の選抜で合格者数が募集定員に満たない学科・コースにおいて実施する。実施時期は3月中旬~下旬。出願は、「A日程」を受検した者で、「B日程」の出願時に熊本県の公立高等学校に合格していない者ができる。定時制は、「A日程」を受検していなくても可。選抜は、調査書、「A日程」で実施した学力検査の結果などを資料として、各高等学校、学科・コースの特色に応じて、その教育を受けるに必要な能力・適性などを判定して行う。

今後は、2024年度から新制度の周知および実施要項などの作成を開始する。熊本県教育委員会のWebサイトでは、現行入試制度と新制度の比較を一覧にしている。

田中志実

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