森山未來、佐藤隆太、渡部篤郎ら出演ドラマ&ドキュメンタリーで“占領期最大の謎”下山事件の真相に迫る!

NHK総合では3月30日に、NHKスペシャル「シリーズ未解決事件 File.10 下山事件」を放送。ドラマ編「ドラマ 下山事件」(午後7:30)と、ドキュメンタリー編「占領期の深き闇」(午後10:00)の2部構成で届ける。

新たなスクープを基にドキュメンタリーと実録ドラマで真相に迫るシリーズ「未解決事件」。その第10弾では、下山事件を取り上げる。数多くの作家やジャーナリストが挑み、誰も解くことができなかった“占領期最大の謎”。それが、1949年7月に、国鉄総裁が突然の失踪後、謎の轢(れき)死体で発見された下山事件だ。自殺か、それとも他殺か? そして、事件の背後にうごめく巨大な闇とは――。

取材班は、厚いべールに包まれてきた怪事件に光を当てる“極秘資料”を入手。4年にわたる解析・取材の末に浮かび上がってきたのは、検察が追っていた真犯人の実像と、その水面下で繰り広げられていた超大国の緻密な謀略だった。戦争の影を色濃く残す占領期に浮かび上がった“巨大な闇”に、人生を懸けて立ち向かった1人の検事の壮絶な戦いをドラマ化。併せて、新資料を基に事件の真相に迫るドキュメンタリーを一挙に放送する。

森山未來佐藤隆太大沢たかお溝端淳平玉置玲央前田旺志郎森崎ウィン渡部篤郎らの出演でおくる「ドラマ 下山事件」。49年7月、国鉄職員10万人の解雇に関して労働組合と交渉中に、こつ然と姿を消した総裁・下山定則。その後、無残な轢死体で発見され、遺体を詳しく調べた結果、死体から血が抜き取られていたことが発覚する。ここから、自殺か他殺かをめぐる大論争へともつれ込んでいく。

東京地検の主任検事として捜査を指揮することとなった布施健(森山)は、自殺として不可解な点が多い事件から、他殺の糸口を探っていく。朝日新聞の記者・矢田喜美雄(佐藤)は“伏せケン”と異名を取るほどマスコミに情報を漏らさない布施とぶつかり合いながら、検察の捜査の核心を追うことに。複雑な迷宮のような事件を追跡する中で、布施はソ連のスパイと名乗る謎の男・李中煥(玉置)にたどり着く。李は暗殺への関与を告白し、事件の背後でうごめく超大国の謀略と、犯人しか知り得ないような驚くべき供述を始める。

ドラマの演出を担当した梶原登城チーフディレクターは「まるで『シナリオ』みたいだ――。今回、下山事件の概要を企画者から聞いた時の直感です。そして、それはドラマが完成に向かう中でいよいよ強まっています。なぜならこの事件は『誰かが描いたシナリオ』だからです。そして、その『誰か』を『シナリオ』で“あぶり出す”のが僕らの挑戦となりました。名作『曽根崎心中』を生み出した近松門左衛門は『虚実被膜』という言葉を残しています。物事はどこまでが実(リアル)でどこまでが虚(フィクション)なのか分からない。物語や人間のおかしみは、その薄皮1枚のグレーゾーンにあると。フィクションの中にある真実を楽しんでいただけたら幸いです」と、本作への思いを語っている。

一方、ドキュメンタリー編「占領期の深き闇」では、検察が届かなかった事件の謎に独自取材。取材班が入手した数百ページにわたる“極秘資料”には、下山事件の知られざる姿が記されていた。注目すべきはソ連の諜報員・李の資料だ。

これまで謎とされていた「下山総裁がどう拉致され、どこで暗殺されたのか」など死への道程が詳細に語られていたが、その後、李がアメリカの諜報機関・CICに出入りし、“ある密命”を受けていた可能性が浮上した。李の供述の虚実の狭間で捜査は翻弄(ほんろう)され、事件は迷宮入りしていく。

今回、李と関わりを持っていたアメリカの反共工作部隊・Z機関(通称・キヤノン機関)の動きが判明。取材班は元諜報員の生き残りを突き止め接触した。

加えて、下山事件、三鷹事件、松川事件と怪事件が相次ぐ中、日本を反共の防波堤とするために暗躍していた工作部”の存在と思惑が浮かび上がる。

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