物価目標達成の確度、着実に高まっている=全銀協会長

Ritsuko Shimizu

[東京 14日 ロイター] - 全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)は14日の会見で「物価目標達成の確度は着実に高まっている」との見方を示した。ただ、マイナス金利解除の時期については「日銀が経済・物価・金融情勢に応じて適切に行う」と述べるにとどめた。

市場では、日銀が18、19日に開く金融政策決定会合において、マイナス金利政策を解除するのではないかとの見方が強まっている。

マイナス金利が解除された場合の金融機関の運用スタンスの変化については「市場環境次第では運用利回りの改善などから日本国債の保有残高拡大の銀行が出てくる可能性はあると思う」としながらも「受け止め方は各行さまざま。運用スタンスが一様に大きく変化するとは限らない。マイナス金利だけで大きな影響があるとは思っていない」と述べた。また「金利上昇で一時的な評価損が出ても、総じて充実した資本を有している」との見方を示した。

マイナス金利解除でも海外投資家による日本への投資環境が大きく変わるものではないと指摘。海外投資家からは「日本のデフレからの脱却の象徴としてのマイナス金利解除とポジティブにとらえられる。日本は相対的に緩和的で安定した環境で、投資家に選好される状況が続く」との見方を示した。また、マイナス金利が解除されても緩和的な金融環境が続くとみており「金利の急激な上昇や急速な円高進展の可能性は低く、経済や企業経営への影響は限定的」と述べた。

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