2月19日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。卒業編2024 in セブ島』（以下：今日好き）。現役高校生たちが3泊4日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。
今回は、3月11日公開の4話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。
・今夜も誰かが旅を終えるーー不穏な幕開けと、ライバルに差をつけられる継続組の男子たち
前回の3話に続き、今回のオンエアでも参加メンバー減少は確定事項らしい。「今夜もメンバーの誰かがーー恋の旅に終止符を打つーー」。そんな予告が流れるのも、過去の『今日好き』ではなかなか見ない例だ。間違いなく、今夜も悲しい恋の結末に泣かされてしまうのだろう。
そら（中川そら）のリタイアという衝撃展開で忘れ去っていたが、2日目午後のグループ決めのため、男子陣がアーチェリー対決に挑戦。的の中心に近い場所を射抜いた上位2名が、気になる女子を誘ってパラセーリングデートに行けるというルールだ。そもそも、初心者では弓を綺麗に放つのすら難しいわけだが、的確に的を捉えたのが、もねる（川尻杜音）。結果的に、もねる、りゅうじん（那須川龍心）が好成績を残し、それぞれきさき（寺島季咲）、まう（小國舞羽）を誘ってグループ行動に繰り出した。
もはや“因縁”ともいえるが、前回の『卒業編2024 in プーケット』からの流れもあり、継続組同士が関係性を探り合っている場面に、新規メンバーはどうしても割って入りづらい。これまでのオンエアで、もねるはたびたび、その状況を崩していく意志を示してきた。これから始まるグループ行動についても「そういうのも関係なしに頑張ってアピールして、残りの数日間で（きさきと）付き合えるように頑張りたい」と、えいじ（吉田叡史）とそうた（米山颯太）の“継続ボーイ”たちに負けない、力強い言葉を残す。
対して、きさきを奪われるとわかった瞬間、“うっそ～”という表情をしていたえいじは、きさきとの距離が「離れていく一方ですね」と俯く。同じ場面で、そうたは唇を掻いてあわあわしていた。意中の相手に複雑な想いを抱いていたのは、彼らだけではない。ゆうか（赤木優香）も、自身の好きなタイプは尊敬できる人。自身はダンス、りゅうじんは格闘技で、それぞれ闘う場所があるからこそ、初めて年下の男子が気になったと明かした。この出会いは、決して無駄にはしてほしくない。
さて、アーチェリー対決を制した男子ふたりだが、パラセーリングの受付に到着するも、この日は強風のために実施できず。かわりに提案されたジェットスキーも、運転にかかる18歳以上の年齢制限があり、楽しめたのはもねる＆きさきのみ。りゅうじん＆まうは、さらにその代わりとしてふたり乗りの自転車でサイクリングを楽しんだほか、もねるの方も海上をゆったりと浮かびながら近況報告をしたのみ。視聴者としては、きさきと至近距離になる胸キュン映像を拝みたかったため、“アクセルをぎゅんぎゅんに回せ！”、“フルスロットルだ！”なんて心の声を漏らしまくっていたのだが、もねるの気遣いができる人柄がそれを阻む形に終わった。
・のあ、“看病2ショットの相手”はわたるではなく、まさかのバオ？
今回のオンエアの本番はここから。パラセーリング組以外のメンバーは、遊園地でバイキングに乗船。お互いに向き合う形で2列に腰を下ろしたものの、片方の列は悲惨な状況に……。大きく揺さぶられるこのアトラクションには、“おなかが浮く”や“爆酔いする”といった感想が挙がったが、事前に絶叫系が苦手だと予告があった通り、静かに涙を堪えるももか（板倉ももか）、とにかく叫び散らすのあ（田仲埜愛）。そして、顔面真っ白で誰よりもグロッキー状態のわたる（伊藤航）。
ドライブで車酔いをして、遠くの緑を眺めるときと同じ表情をしていた彼に、“お前もか！”と思わずツッコミを入れたくなってしまったが、そんな彼の手首をガッと握ったのあ。普段であれば、絶叫に対して、のあの手のひらに何%くらい意識を持っていかれたのか本人に聞きたくなる場面だが、今回ばかりは限りなくゼロに近いだろう。
そんなわたるを連れて、妙にイキイキとしたのあが「休んできます」とその場を離れたのだが、この後に2ショットに誘ったのは、まさかの同じく絶叫酔いをしていたばお（Bao）。わたるとの“看病2ショット”を期待していただけに、“急にどうした？”と声に出してしまいたくなる。実際のところ、ばお自身もかなり意外だったようで、メリーゴーラウンドを楽しみつつも、のあからの接近にどうしてよいのかと困惑している様子。
ただ、のあの方は「不思議な人が好き」「（これから）話しかけていくかも」と、積極的なようだ。彼女がばおを意識し始めた理由は単純で、わたるから積極的に誘う場面や、明確なアプローチが少ないから（つまりは、なにを考えているのかわからないのだという）。明らかに、恋の風向きが変わりかけている。
この2ショットの直後、わたるはのあと観覧車で2ショット。先ほど、のあが離れてしまったことに「ちょっと寂しかった」と切り出すと、まだ観覧車が1/4も進んでいないうちから「のあって決めてるから」と、エンジンを掛ける。「オレがあんまり（積極的に）行かないから、（ばおの方に）行っちゃったのかなって」。驚くくらい、大正解だ！
すると、観覧車が大きな揺れと共に急停止。この理由こそ明かされなかったが、わたるは「手繋ぐ？」とのあの心を押し始めると、彼の手を握りたいにも関わらず、怖さを口実にしたことに「言い訳ですか？」「違います」とイチャイチャ。しかもここで「今日、ポニーテールめっちゃ似合ってんで」と、強引でも畳み掛ける。のあも「いま褒めてくるのズルいわ」と、見るからに心を絆されてきた。
“行け かませ 超えろ セブ島から続くChampion Road”などと、わたる本人ではなく、あくまで視聴者が心に念じたところで「オレはもう、のあが好きやから。待っといてほしい」と、指切り。もう本当にすごい。伊藤航 is 全部の正解を引く男子。『今日好き』でもかなり珍しい、全部の正解を見せつけた2ショットである。さすがはわたる、恋でも夫婦漫才でも、しっかりと結果を残してくれた。
・“終止符”が意味したところは？ わたる＆のあ、告白とカップル成立の結果
ところで、まだメンバーが減るような悲しい大事件は起きていないわけだが……。ディナーの際、えいじがきさきを2ショットに誘おうとすると、「ちょっと待ってください」の一言が。その声の主は、わたる。「今日、もう告白しようと思って。のあ、告白いいですか？」と、先ほどの2ショットの熱も冷めやらぬうちに、『卒業編2024 in セブ島』初の告白が始まってしまった。
告白は、イルミネーションに囲まれながら。本当は明日、告白をするつもりだったが、我慢をできなかったという。「一緒にいて楽しくて、話していて笑顔になれて、本当に楽しかった。日本に帰っても、一緒に楽しい思い出を作りたいです。僕の素直な気持ちを受け取ってください」。告白の言葉も真摯だ。
結果は……「お願いします」と、カップル成立！ 直後、のあから「マジで早すぎ」とツッコミを入れられていたが、そんな彼女に見え隠れする天然な部分も「めっちゃ好き」だというわたる。ちなみに、のあの決め手は、わたるがなにを考えているかわからず、「不思議」な存在だったから。一時は不安な場面もあったが、結果的に彼女の気持ちは一貫していたわけだし、この日の昼の2ショットからの流れを崩さず、最後まで正解を引き当て続けた男＝伊藤航。なんとも天晴れな展開だった。
「今夜もメンバーの誰かがーー恋の旅に終止符を打つーー」。前回の3話も踏まえるに、“そっち”の方向での終わりだと思うじゃん。
ということで、“恋の旅に終止符”を謳いながらも、待っていたのは、幸せな恋の始まりだった。最後に、メンバー11名で記念撮影をした際、わたるはカノジョの手を握るのに躊躇していたが、そんなふたりの仲睦まじい光景を見守るこの瞬間だけは、スタジオだけでなく、その場にいた高校生メンバーも含めて、全員が“恋愛見届け人”のような顔つきになっていた。カップル成立って、本当に幸せな気持ちになれ僕の素直な気持ちを受け取ってください」。告白の言葉も真摯ですね。
（文＝一条皓太）
