【児童手当】3人の子どもがいる世帯では「総額1100万円」の説明に「なぜ3人目から増額?」の声

児童手当における「第3子」の扱いに疑問視も

児童手当の拡充が2024年12月支給分から始まる予定です。

児童手当にはさまざまな課題があったものの、拡充により所得制限が撤廃されるなど、期待を寄せる方が多いのではないでしょうか。

しかし、2024年3月7日に首相官邸が投稿した児童手当に関するInstagramには「なぜ3人目から増額?」「第3子の扱いを変えてほしい」などを要望する声があがっています。

一体なにが問題視されているのでしょうか。

児童手当の概要や拡充内容とともに見ていきます。

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児童手当が拡充へ

「児童手当」とは、子どもを養育している保護者に対して支払われる給付金のことです。

現行の制度においては、子どもが中学校を卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日)するまでもらえます。

  • 0~3歳未満:月1万5000円
  • 3歳~小学生:月1万円(第3子以降は月1万5000円)
  • 中学生:月1万円

現行制度が抱える児童手当の課題

児童手当における現行制度では、たびたび”所得制限”に対する不満の声があがっていました。

児童手当における所得制限限度額と所得上限限度額の年収

例えば児童2人と年収103万円以下の配偶者という4人家族の場合、年収960万円になると一律5000円の支給になります。

さらに年収1200万円の場合、児童手当は全く支給されないのです。

高所得者ほど高い税金を納税していることや、育児施策は平等に行うべきという観点からも、問題視する声が上がったのです。

2024年10月から(2024年12月支給分から)は児童手当が拡充され、こうした不平等は払拭されることとなりました。

拡充案について具体的に見ていきましょう。

児童手当は「2024年10月(12月支給)」から拡充へ

児童手当の拡充ポイントは大きく3つです。

児童手当の拡充ポイント
  • 所得制限を廃止
  • 支給対象が高校卒業まで延長
  • 第3子以降は3万円が支給

まず、不満の声があがりやすかった所得制限が撤廃されます。これにより、年収が高い世帯でも児童手当が支給されるようになります。

さらに、支給年齢を高校生年代まで延長することが決まりました。高校生がいる家庭にも、子ども1人当たり1万円が支給されます。

そして3つ目のポイントが「3人目以降の支給額が3万円に倍増」という点です。

現行制度では月1万5000円が支給されているので、倍になることに。3人以上のお子さんがいる家庭にとって、大きな助けになるとうかがえます。

政府のInstagramでも、「3人の子どもがいる家庭では総額1100万円」と記載されています。

しかし、こちらに対してもまた新たな不満の声があがっています。

児童手当の拡充に対する不満の声

不満の声の中で主なものは、「なぜ3人目から増額なのか」「第3子の扱いに疑問」というものです。

子育てにはお金がかかるもので、当然第1子、第2子にも同じ額、あるいはそれ以上の子育て費用がかかります。

少子化の要因は複合的ですが、子ども1人目にも2人目にも壁はあるものです。ここをクリアできない以上、当然3人目を出産することはできないので、

  • 1人目産むのがハードル高いのに、なぜ3人目からしかしないのか疑問
  • 1人目から3万円でいいのでは?
  • 第一子と第三子の支給額が逆ならいいのに

などのコメントがありました。

また「第3子」のカウント方法も疑問視する声があがっています。

児童手当における「3人目以降」とは「児童手当を受給中(高校卒業まで)の子どもの中で3人目以降」と定義されているのです。

つまり、第1子が高校を卒業してしまえば、第3子は2番目の子どもとして扱われてしまいます。

第1子が高校生の間は第3子に3万円が支給されますが、卒業すれば1万円になるということです。

今の制度のままでは、年が離れているきょうだいほど、恩恵は受けにくくなるでしょう。

こうした第3子のカウント方法については、検討中となっています。今後の動向に注目が集まります。

児童手当の拡充に注目集まる

児童手当の拡充は2024年10月(2024年12月支給分)から始まる予定です。

前進である一方、まだ課題があることも事実でしょう。

支給に向けてはまだ議論が進んでいます。

政府のInstagram投稿には、3月13日時点で200を超えるコメントが寄せられており、関心の高さがうかがえます。財源とともに、その動向に注目が集まります。

参考資料

  • 首相官邸Instagram
  • こども家庭庁「児童手当制度のご案内」

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