労働条件の改善を求める「春闘」が全国各地で始まり、大手企業などが賃上げを決めました。その一方、簡単にはいかない業種もあります。医療や介護の現場で働く人が、処遇の改善を訴えました。
ホワイトボードに並ぶ「満額」の文字。13日、集中回答日となった春闘では、大手企業を中心に去年を上回る大幅な賃上げの回答が相次ぎました。
一方で…
■県医療労働組合連合会
「ほぼ6割の方々が今の生活について苦しいと感じていると。物価高騰もあり賃金の低い医療介護現場が選ばれないのは当然かもしれません」
医療従事者が加入する県医療労働組合連合会が会見で訴えたのは賃金の引き上げと人手不足の解消。このままでは「医療崩壊」が起きかねないと言います。
「ごめんね、ちょっと申し訳ないお口だけ」
長野市内の病院です。朝から職員が仕事に追われ、移動も小走りです。
Q「皆さん歩くの早いですよね」
A「そうなんです」
Q「やっぱ忙しいから」
A「そうなんです」
■看護師
「申し送りもらってからずっと仕事です。(休憩は)1時間取れるか取れないかっていう感じで」
厳しい労働環境をさらに過酷にさせたのが新型コロナでした。
「大丈夫ですかね。また何かあったら呼んでくださいね」
「感染の患者さんいらっしゃるとその都度プラスの業務が入ってしまう」
こちらの病院で特に不足しているのが、夜勤を担当する看護師だと言います。
「多い人では十数回という夜勤をこなしていますし、一人で10人20人と言う患者さんを受け持たなければならないので負担感は多いと思います」
病院は医療報酬が決められているため、賃金アップには国の診療報酬の改定が必要になってきます。
■県医療労働組合連合会
「患者さんに対する窓口負担を増やすということを求めているわけではなくて/社会保障というところで賃上げを求めていきたいと思います」
南信地域では今月、介護士不足により病棟を閉めた所も。
■県医療労働組合連合会
「むなしい毎日が続いているとつぶやく看護師も多いです」
■医療従事者
「人の役に立ちたいって希望して来た職員が多いと思うんですけど、その思いだけではやっぱり自分の体や生活も守らないといけないので厳しい現状があると思います」
大手企業の回答が波及してくれることを願っています。