ガーシー被告 「ありがとう!」 猶予付き判決に笑顔見せる ファン車取り囲み絶叫「おめでとう!」

YouTubeで芸能人や会社経営者らを脅迫したとして、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)など5つの罪に問われていた前参院議員のガーシー被告(52、本名・東谷義和)の判決公判が14日、東京地裁であった。

佐伯恒治裁判長は「脅迫行為に常習性が認められ、社会的評価を低下させることを狙った行為は、卑劣かつ悪質」としながらも「反省の意思を示している。社会的更生は可能」などとして懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。

執行猶予付きの判決が伝えられると、東京地裁前に詰めかけていた支援者が歓声を上げた。午後1時45分、ガーシー被告を乗せた黒いワゴン車が東京地裁を出ると、またたくまにファンが取り囲んだ。「ガーシー!」「ありがとう!」「おめでとう!」。絶叫に近い声援に、ガーシーは窓を開け頭を下げた。笑顔を見せていたが、支援者のひとりは「涙ぐんでいた」と興奮ながらに振り返った。

ダークスーツに黒のネクタイで出廷。判決前、裁判長から「何か言いたいことはありますか」と問われると「今もこれからも、被害者の方々に反省と謝罪の気持ちを持ち続けて、やることすべてをやっていきたい。二度とこのようなことをしないと誓います」と述べた。背筋を伸ばし、判決を聞いていたガーシー被告。判決後は、傍聴席に向かって一礼した。

判決では「特定の個人の社会的評価を低下させる暴露を告知する内容を配信し、拡散する行為を繰り返し、中心的役割を果たしてきた。正当化されるべきではなく、被害者や関係者に不安や恐怖を与え、多大な財産的損害も与えさせた。誹謗中傷に苦しんでいる。悪質性も甚大」と指摘した。

一方で、ガーシー被告に前科がないことも挙げ「遅まきながら被害者らの傷を理解している。被害弁済し、謝罪の意を示している」として、更生は可能と判断。執行猶予5年が相当とした。

この日の公判には、19席の一般傍聴席に240人が並んだ。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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