スイスのMOBとラピートがコラボ「あか抜けたデザイン」

スイスの展望列車「ゴールデンパス・エクスプレス」のデザインをラッピングした特急ラピート「MOB ラピート」の出発式が3月14日、南海電鉄「難波駅」(大阪市中央区)で開催。インバウンド観光客でにぎわう駅構内には多くの観覧車が訪れ、新車両の出発を見送った。

MOBの展望列車「ゴールデンパス・エクスプレス」のデザインをラッピングした特急ラピート「MOB ラピート」

スイス連邦の「モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(以下:MOB)」は、スイス屈指の絶景ルートで人気が高く、最急勾配73パーミルの区間を運行する山岳鉄道。

南海電鉄でも高野線・橋本駅から極楽橋駅間を走る「こうや花鉄道」が最急勾配50パーミルあり、また、両社とも沿線に世界遺産を擁するなど、性格が近しい鉄道事業者ということで、2017年10月には姉妹協定を締結し、友好を深めていた。

南海電鉄の遠北光彦会長兼CEOは、「2025年大阪・関西万博では世界から多くのお客さまが訪れる。ラッピング電車を走らせることにより大阪・関西を盛り上げたい。モントルーとなんばのエリアの文化芸術観光についていろいろな取り組みを進めたい」とコメント。

また、MOBのジョージ・オベルソンCEOは冒頭に日本語で挨拶したあと、「MOBカラーのすばらしい車両を日本でお披露目できることはとても光栄。万博は持続可能な社会を国際的に共同開発することを理念においている。両鉄道のパートナーシップこそ、すばらしい理念に適合している。南海電鉄とMOB、日本に幸多きことを記念したい」と祝した。

この日、河内長野市から訪れた堀越善孝さん(73歳)は、幼少期から南海電鉄沿線を中心に電車を写真に収めてきたといい、「MOBにも乗ったことがあり、とても美しかった。高野山の景色も同じようにとてもきれい。今回の車両は今までにない、あか抜けた車両のデザインでとても良かったです。いつでも機会があるので近いうちに乗車したい」と話した。

運行期間は3月14日から当面の間となっており、「大阪・関西万博が開催される2025年までは運行予定」と広報担当者。運行時間については特に表示されないため、乗車には問い合わせで対応するという。

取材・文・写真/岡田由佳子

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