記録的大雨から8か月 支援が行き渡るよう秋田市で訪問活動続く

記録的な大雨の降り始めから14日で8か月です。被害に遭った人に必要な支援が行き渡るよう、秋田市で訪問活動が続けられています。取り残される人がいないようにと、一人ひとりに寄り添っています。

去年7月の記録的な大雨で大きな被害が出た秋田市の楢山地区です。

秋田市社会福祉協議会に設置されている地域支え合いセンターの関明子さんと柳谷朋香さんが訪問活動を行いました。市に届け出があった、り災証明書を基に高齢者が暮らす住宅を中心に見て回っています。

床上に約50センチ水が上がった佐藤定光さんの住宅です。

佐藤定光さん「大工さんのようにはいかないけれども、生活できる範囲内の修理とか壁紙とか全部(親族が)やってくれたので」

いまはほぼ元通りの生活に戻ったと話す佐藤さん。ただ、修理にかかる費用のほとんどは自ら負担したといいます。

関明子さん「補修に50万これ使えるんですよ。災害発生から37か月まだまだ(申請が)間に合うので」

地域支え合いセンターは情報が行き届きにくい高齢者への支援を喫緊の課題と捉えて、生活の再建状況に応じて利用できる制度を案内しています。

支援が思うように進まない理由はほかにも。

関明子さん「もしかしたらこちらのお宅は帰ってきてないかも。もしかしたら修理しながらどこかに避難してるという可能性もあるので」

訪問するなかで約3軒に1軒は留守、または戻る予定がない空き家になっているといいます。

地域支え合いセンターは訪問活動を行う中で心のケアも大切にしています。

関明子さん「体調の方とかはどうです?」「まぁ特段、変化とかはないですけども」

それぞれの家に住む人の健康状態の確認はもちろん、大雨被害をきっかけに孤立することを防ごうと、集いの場も作っています。

今月から各地域で開かれている「お茶っこサロン」。参加者同士でふれあうことができるほか、秋田市の職員や行政書士に悩み事を相談することもできます。

関明子さん「どう対応すればいいかというのも、お互い話し合うことで方法が見つかったりとかするので、いろいろ聞きますね。体調とか当時のこととか、あとは我々まずは制度を利用してほしいというのが大きな目的でもあるので」

地域支え合いセンターは今後、訪問先を高齢者以外の住宅にも広げて、サロンを開く地域も増やしていくことにしています。

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