兵庫県立大の無償化案、与党自民会派の一部に根強い反対意見 県議会予算特別委で異例の付帯決議案

兵庫県議会予算特別委員会で、県立大の県民無償化事業を巡って自民党が付帯決議案を提出したが、反対多数で否決された=兵庫県庁

 兵庫県議会の予算特別委員会は14日、総額4兆3018億円の2024年度当初予算案など新年度関連の26議案を原案通り可決した。県立大学の無償化事業を巡っては与党最大会派の自民から異例の付帯決議案が出されたほか、ひょうご県民連合や共産党からも予算組み替え動議が提出されたが、いずれも否決された。

 付帯決議は行政機関に対する議会側の意見表明だが、法的な拘束力はない。予算関連で提出されるのは県政史上例がない。

 自民は付帯決議案で同事業について「厳しい財政状況の中で、持続可能か予測が難しい」と指摘。「授業料後払い制度など、国の施策との整合性を含めて議会と丁寧に議論すべきだ」と訴えたが、維新の会、公明、ひょうご県民連合、共産、無所属委員の賛同を得られなかった。

 当初予算案は19日の本会議でも可決される見通しだが、自民会派内には一部ベテラン県議を中心に同事業に対する根強い反対意見があり、本会議でも付帯決議案を提出するかについて協議を続けている。(前川茂之)

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