町屋良平の新刊が発売前重版に 高1男子2人が切実に「生きること」について問う

町屋良平の新作長篇小説『生きる演技』が2024年3月14日に刊行となった。デビュー作『青が破れる』から7年、芥川賞『1R1分34秒』から5年。〈新しい戦前〉と言われる現代日本の高校生を主人公に、戦時下で実際に起きた「立川米軍俘虜虐殺事件」が交差する物語だ。

文藝賞、芥川賞、野間文芸新人賞、の作家・町屋良平による本書は、季刊文芸誌「文藝」連載時から"まぎれもない最高傑作"と反響を呼び、発売前重版も決定した本書。W不倫で実母が自殺した過去を抱えて本心を隠し続ける元「天才」子役 と「薬物ジャンキーレイプ野郎」を両親にもつ「炎上系」俳優、という高校1年生ふたりが、実在する残虐な出来事を文化祭の演劇として作り上げ上演する日々を通じて、「生きるとは何か?」を問い続ける。人が他人に見せる「私」とは何か。人はいつ、どのように人を傷つけるのか。高校生たちの「生きて」いる言葉、その身体から放つ暴力への問いが深く突き刺さる大作だ。

著者が「デビューから考えてきたことのすべてを込めた」と語る最新作。小説家・劇作家の古川日出男氏は「最高に読み応えがあり、かつ唯一無二の印象がある。時代のフロンティアに刺さっている。」(朝日新聞 文芸時評)とコメントしている。また、多くの書店員からも高い評価を得ている。

発売に際し、トークイベントや期間限定の冒頭無料ためし読みも実施。この時代を生きるわたしたちに強く訴えかける本書をぜひチェックしてみよう。

(文=リアルサウンド ブック編集部)

© 株式会社blueprint