自画撮り被害防止 県条例改正方針 10月施行へ 悪質ケースには罰金

 子どもが自分の裸の画像を送信させられる「自画撮り被害」が相次いでいることを受け、岡山県は14日、県青少年健全育成条例を改正する方針を明らかにした。改正案では18歳未満にわいせつな画像の送信を要求することを禁じ、脅したりだましたりする悪質な行為には罰金を科す。昨年7月施行の改正刑法は対象とする子どもの年齢を16歳未満としており、条例で独自に16、17歳を保護する形だ。10月の施行を目指して手続きを進める。

 自画撮り被害はSNS(交流サイト)の普及を背景に増加傾向にあり、2022年は全国で577件(前年514件)発生。これを踏まえ、国は改正刑法を施行し、16歳未満に性的な画像や動画の送信を求めた場合に罰則を科す「映像送信要求罪」を新設している。

 岡山県は16、17歳に当たる高校生の被害が全国で4割近くを占めることから、18歳未満に対象を広げて保護する必要があると判断した。改正条例案では、画像の送信を拒まれたにもかかわらず求めたり、脅しや欺きで要求したりする行為、見返りに現金の提供―といった悪質なケースは30万円以下の罰金を科すと規定。要求した人が県外にいる場合や子どもが実際に画像を送らなかった際にも規制対象とする。

 自画撮り被害を巡っては、18年の東京都を皮切りに今年2月末現在で37都道府県が改正条例を施行しており、岡山県は大半の自治体が定める規制内容を踏襲。一方で、北海道では13歳未満であれば要求しただけで罰則の対象とするなど踏み込んだ規制を講じる自治体もある。

 岡山県は14日の県議会特別委員会で条例案を説明。4月15日までパブリックコメント(意見公募)を行い、6月の定例県議会に提案する方針。県子ども家庭課は「卑劣な行為から全ての青少年を守れるよう条例改正を速やかに進めたい」とする。

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