「空飛ぶクルマ」倉敷で飛行試験 MASC、観光利用の可能性探る

鷲羽山上空で行われた「空飛ぶクルマ」の飛行試験=倉敷市大畠

 航空・宇宙分野の新事業創出に取り組む一般社団法人MASC(マスク、事務局・倉敷市中央)は14日、人を乗せて空を移動する「空飛ぶクルマ」の飛行試験を鷲羽山展望台駐車場(同市大畠)で行った。瀬戸内海国立公園指定90周年に合わせて企画し、海上周遊など観光利用の可能性を探った。

 中国メーカー製の2人乗り電動機(高さ約1.7メートル、幅約5.6メートル)を使用。プログラムに基づく自動航行で、大人2人に相当する160キロの米を搭載して実施した。

 機体は高さ30メートルまで垂直に上昇。瀬戸大橋を望む鷲羽山上空で方向転換を繰り返しながら約4分間飛行し、460メートル移動した。米を下ろした無人フライトも行い、飛行時の機体の揺れや姿勢の変化をチェックした。

 MASCは倉敷市内の企業などが連携し2017年に発足。先端技術での地域活性化に向け、空飛ぶクルマやドローン輸送のテストを続けている。

 坂ノ上博史事務局長は「安定して飛行でき、実運用への手応えを感じた。瀬戸内海周遊など観光利用の実現に向け、さらに試験を重ねたい」と話した。

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