クルゼイロが36歳モレノと短期契約…10億円融資でクラブ存続を助けてくれたボリビアのレジェンドに引退試合を提供

知る人ぞ知るストライカー、マルセロ・モレノ[写真:Getty Images]

ブラジルの名門クルゼイロ。レジェンドのために、1カ月弱の短期契約を用意した。

13日、クルゼイロは元ボリビア代表FWマルセロ・モレノ(36)の加入を発表。モレノは州選手権開催期間である4月上旬までの短期契約であり、その後開幕の国内リーグ(ブラジル全国選手権)前にはチームを去る。

小国ボリビアのサッカー史に燦然と輝く36歳、知る人ぞ知るストライカー・モレノ。

W杯出場歴こそないが、国際Aマッチ通算108試合31得点を誇り、若き日にはブレーメンやウィガン、シャフタールに在籍…欧州を離れて以降はブラジルや中国でゴールを量産した。

昨年はエクアドルのクラブでプレーし、1年で契約満了。W杯予選真っ最中のボリビア代表で現役キャプテンを務めながらも代表引退…年明けからはブラジル国内の自宅で過ごしつつ、無所属となっていた。

そんなモレノはクルゼイロに過去2度在籍し、クルゼイロが深刻な経営難に陥った際は、当時他クラブ在籍ながらも救済に名乗り。

融資の額はなんと3300万レアル(約9億8000万円)以上…今なお債権者の上位3人に数えられ、名門クルゼイロが存続しているのはモレノのおかげと言っても過言ではないのだ。

昨年9月にはブラジル『グローボ』のインタビューで「クルゼイロで引退したい…」と告白。今回の短期契約は“神様”に対するクルゼイロの感謝が詰まった恩返しという形だ。

クルゼイロはモレノの3度目加入を「お別れのための準備」と表現した声明を発表。

「私たちは、モレノがクラブのためにしてくれた全てに心より感謝し、満員のミネイロン(本拠地)で現役最後を迎えたい彼の気持ちに応えるべく、最大の努力をしてきました。キャリアとの別れを威厳あるものにすべく、引退試合を開催します」

引退試合の日時は現状未定とのことだが、クルゼイロの外国籍選手史上最多スコアラーであるモレノ。6万人収容のミネイロンは、きっと、満員のサポーターで埋まることになるだろう。

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