芸能界で言うと「『過激!』となっていく」けど... 水上恒司、アーバン・アートの「時代に対するメッセージ」に感銘

俳優の水上恒司さん(24)と声優の木村昴さん(33)が2024年3月14日、森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)で行われたテレビ朝日開局65周年記念「MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~」のイベントに参加した。

シュレッダー裁断で有名なバンクシーの作品も

同展は、ヨーロッパで高い人気を誇るアーバン・アートと現代アートに特化した美術館「Museum of Urban and Contemporary Art」(MUCA)が所蔵するコレクションを紹介する展覧会。イベントにはMUCA創設者のクリスチャン・ウッツ氏も姿を見せた。

世界で注目を集めるバンクシーの日本初上陸の大型彫刻作品やファッションの世界にも作品を通じ影響を与えるカウズの代表作、グラフィティアーティストのバリー・マッギーなどアーバン・アートを牽引してきた10名の作家の作品を展示する。

具体的には、バンクシーの「Girl Without Balloon」(18年制作)やカウズの「4ft Companion(Dissected Brown)」(09年制作)、バリー・マッギーの「Untitled」(18年制作)などが展示される。「Girl Without Balloon」は、作品の一部が落札後にシュレッダーで裁断されたことで有名だ。

木村さんは音声ガイドを担当。アーバン・アートとの関わりについて「アートにすごく興味があって、自分でもここ数年、スプレーアートをやるようになって耳にするようになったという感じです。知ったのは近頃なんですけど、興味がありますし、どんどん見ていきたいなと思っています」と話した。興味のある分野の音声ガイドを務めることになり、「こんなこと言っちゃなんですが最高のお仕事でした」とニッコリ。

一方、東京会場公式アンバサダーを務めた水上さんはアーバン・アートを知らなかったという。「僕は技術ややり方、種類を知っているわけではないので、こんな僕だからこそ、素人に近い、世の中に多くいる方たちの側の意見が出てくるじゃないかなと思いました」と意気込んだ。

水上さんは印象に残った作品を「バンクシーとかカウズもそうですし、僕の世代の若者たちが目にすることが多い作品がある中で、僕は『チャージ』(リチャード・ハンブルトン)という、馬のような絵が印象的でしたね」と明かした。

「何も臆することなく、恐れなく、時代に対してちゃんと提示していくという姿」

続けて「MUCA展に出ているアーティストのほとんどは政治だったり、その時代のいろんなものに対するメッセージをちゃんと体に宿して表現している部分が、心を打つものがきっとあるんでしょうし、なかなか僕の立場というか日本の芸能界でそういったことを言っていくと『過激!』となっていくからこそ、アーティストとして何も臆することなく、恐れなく、時代に対してちゃんと提示していくという姿がすごく好きですね。その中でもメッセージ性というよりも単純にパッとみた印象で僕は『チャージ』が好きです」と吐露。

木村さんから「覆面アーティストとかやったらいいじゃん」と提案されると、水上さんは「やれますかね? バンクシーって顔がバレていないのが本当にいいなって思うんですよね」と返した。木村さんが「いいじゃん、みんなに内緒で始めちゃえ」と後押しすると、クリスチャン氏が「すでにやっているかもしれないですね」と冗談交じりに声をかけた。

水上さんは展覧会の楽しみ方について「僕にとってMUCA展のみならず芸術とか色々なものに見て触れていくのは、こういったものを書きたいなとか、こういった表現方法があるんだと自分に刺激を与えるための時間として展覧会や展示に行きます。そういった僕ならではの過ごし方がありますし、人それぞれ色んな展示会の過ごし方があると思うので、『こういう風にしてほしい』というのは特にないです。芸術は正解がない世界なので、水上がこう言っていたなと見に来ていただいて、思いもよらない出会いとの遭遇があったら嬉しいと思います」と語った。

水上さんは自身の展覧会を開くなど、創作活動になじみが深い。創作活動にどのような刺激があったか問われると「影が好きなので撮影の時のライトの当たり方とか考えちゃうので、直接的に大作につながるわけではないですが、創作意欲に少なからず刺激を受けているので、僕と同じように見てくださる方々にとっても刺激になったらいいなと思います」と思いを伝えた。

会期は3月15日から6月2日まで。

(J-CASTニュース編集部 井上果奈)

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