2024年フォーミュラ・リージョナルが開幕。奥住慈英がポイントリーダーに浮上/FRJ第1大会鈴鹿

 2024年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の開幕戦となる鈴鹿大会(第1戦〜第3戦)が3月9〜10日に鈴鹿サーキットで開催され、奥住慈英(Sutekina Racing)が第1戦を、ミハエル・サウター(G FORCE F111/3)が第2戦と第3戦を制し、奥住がポイントリーダーに浮上している。

* * * * * *

 2020年の初開催から5年目を迎えたFRJ。今大会には全マスタークラス4台を含む13台がエントリーを果たした。そのうち、スイス、フィリピン、中国、オーストラリア、ニュージーランドと、海外からは5名のドライバーがエントリーしている。

 9日午前に行われた公式予選では、Q1で最速タイムをマークした廣田築(G FORCE F111/3)が第1戦のポールポジションを獲得。Q2最速のサウターが第2戦のポールを獲得し、Q1のセカンドベストタイムで決まる第3戦については奥住がポールシッターの座を掴んだ。

■第1戦/奥住慈英が波乱のシーズン初戦を制す

 9日13時15分から行われた第1戦は、決勝直前に強まった雪のためウエット宣言が出されセーフティカー(SC)先導でスタートを迎えた。ただ、路面温度の低さもあり、3番手サウターを含む複数台がSC中にコースオフやスピンを喫し順位を落としてしまう。レースは5周目にリスタートとなる直前、4周目の130Rでトップの廣田がスピンし、奥住がトップに浮上する。

 しかし、5周目のNISSINブレーキヘアピンでワン・ジョンウェイ(SKY MOTORSPORTS F111/3)がスピンを喫し、再度SCランに。最大レース時間の30分まで残り時間8分、8周目というところで奥住、中村賢明(TOM’S FORMULA F111)、ジェシー・レイシー(G FORCE F111/3)、廣田のトップ4でリスタートを迎えると、奥住がトップを守ったまま12周目のトップチェッカーを受けた。

 ポールシッターの廣田は終盤にレイシーと中村をかわし2番手でチェッカーを受けるも、SC中のスピンにより30秒のペナルティが課されて5番手に後退。2位に中村、3位にレイシーが続いた。マスタークラスはAKITA(AKITA Cars & Racing)がトップチェッカーも、SC中のスピンにより30秒のペナルティが課され、MOTOKI(47TRADING with Rn-sports)がクラス優勝かつ、総合4位となっている。

2024 FRJ鈴鹿大会 第1戦決勝はセーフティカースタートとなった
2024 FRJ鈴鹿大会 第1戦決勝 奥住慈英(Sutekina Racing)
2024 FRJ鈴鹿大会 第1戦決勝 表彰台(総合)
2024 FRJ鈴鹿大会 第1戦決勝 MOTOKI(47TRADING with Rn-sports)

・2024年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ

第1戦鈴鹿サーキット 決勝正式結果

Pos.

Class Driver Car Laps/Gap

1 3

奥住慈英 Sutekina Racing 31’01.670

2 28

中村賢明 TOM’S FORMULA F111 2.102

3 53

J.レイシー G FORCE F111/3 19.710

4 11 M MOTOKI 47TRADING with Rn-sports 29.665

5 51

廣田築 G FORCE F111/3 31.483

6 62

猪爪杏奈 ユピテル 羽衣6 F111 36.212

7 45 M 辻子依旦 PONOS RACING 46.513

8 16 M AKITA AKITA Cars & Racing 52.738

9 36

W.ジョンウェイ SKY MOTORSPORTS F111/3 1’01.758

10 23 M YUGO S2R Racing 1Lap

29

J.ブロビオ ES oneFormulaPHL 7Laps

5

M.サウター G FORCE F111/3 10Laps

55

S.マンソン G FORCE F111/3

天候:曇り/雨 路面:ウエット/ドライ

・ファステストラップ
総合:2分00秒322(10/11) 173.744km/h #3 奥住慈英
M:2分01秒765(11/11) 171.685km/h #16 AKITA

・スタート時刻:13時20分00(SCスタート)
・フィニッシュ時刻:13時51分01 規定の上限時間を経過したためレース終了とした
・ウエット宣言 :13時09分

・SC導入時刻1:13時20分00秒(0Lap)〜13時33分45秒(4Laps)
・SC導入時刻2:13時35分45秒(4Lap)〜13時42分55秒(7Laps)

・ペナルティ
#51、#16、#5、#55は、ドライブスルーペナルティ(国際モータースポーツ競技規則 付則H項2.10.11(SC中のスピン))
#36は、ドライブスルーペナルティ(国際モータースポーツ競技規則 付則H項2.10.10(SC中の追い越し))
※上記ペナルティ不履行により、競技結果に対して30秒加算

■第2戦/サウターが独走のポール・トゥ・ウィン

 9日16時25分から行われた第2戦決勝は、引き続き曇り空のもとで路面温度が低い状況だったことから、2周のフォーメーションラップを経てスタートを迎えた。

 ポールスタートのサウターが抜群の蹴り出しを見せる一方、フロントロウスタートの廣田がわずかに出遅れ、奥住が2番手に浮上する。オープニングラップのASURA S字コーナーで猪爪杏奈(ユピテル 羽衣6 F111)がクラッシュしSC導入に。

 3周目にリスタートを迎えるとサウターは後続とのギャップを広げ、早々に独走体制に。一方、奥住と廣田の2番手争いは白熱。奥住とのギャップを徐々に縮めた廣田は10周目のホームストレートで2番手に浮上する。しかし、廣田は11周目の1コーナーでコースオフを喫し、奥住が2番手の座を取り戻す。

 サウターは後続との差を11秒まで広げてチェッカー。2位に奥住、3位に廣田が続いた。マスタークラスは総合4位に入ったAKITAがクラス優勝を飾った。

2024 FRJ鈴鹿大会 第2戦決勝 ミハエル・サウター(G FORCE F111/3)
2024 FRJ鈴鹿大会 第2戦決勝 ミハエル・サウター(G FORCE F111/3)
2024 FRJ鈴鹿大会 第2戦決勝 荒聖治政治ドライビングコーチとミハエル・サウター(G FORCE F111/3)
2024 FRJ鈴鹿大会 第2戦決勝 表彰台(総合)
2024 FRJ鈴鹿大会 第2戦決勝 AKITA(AKITA Cars & Racing)

・2024年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ

第2戦鈴鹿サーキット 決勝正式結果

Pos. No. Class Driver Car Time/Gap

1 5

M.サウター G FORCE F111/3 25’46.316

2 3

奥住慈英 Sutekina Racing 11.066

3 51

廣田築 G FORCE F111/3 17.787

4 16 M AKITA AKITA Cars & Racing 24.688

5 55

S.マンソン G FORCE F111/3 26.072

6 28

中村賢明 TOM’S FORMULA F111 34.766

7 53

J.レイシー G FORCE F111/3 55.725

8 11 M MOTOKI 47TRADING with Rn-sports 1’23.666

9 45 M 辻子依旦 PONOS RACING 1’40.678

10 29

J.ブロビオ ES oneFormulaPHL 1Lap

11 23 M YUGO S2R Racing 1Lap

12 36

W.ジョンウェイ SKY MOTORSPORTS F111/3 3Laps

62

猪爪杏奈 ユピテル 羽衣6 F111

天候:晴れ 路面:ドライ

・ファステストラップ
総合:1分58秒708(7/12) 176.106km/h #5 ミハエル・サウター
M:2分00秒331(10/12) 173.731km/h #16 AKITA

・スタート時刻:16時32分29秒
・フィニッシュ時刻:16時58分15秒

・SC導入時刻:16時33分30秒(0Lap)〜16時38分20秒(2Laps)

・ペナルティ
#29は、競技結果に対して5秒加算(鈴鹿サーキット一般競技規則 第37条〜8①)(ホワイトラインカット))

■第3戦/サウターが逆転し連勝飾る

 3月10日に行われた12周の第3戦決勝は10時10分にスタートした。なお、第2戦に引き続き、フォーメーションラップは1周多い2周行われている。

 ポールスタートの奥住が好スタートを決めるなか、2番グリッドのサウターは出遅れ、セバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)に続く3番手に後退する。

 ただ、サウターは2周の130Rでマンソンを攻略。この時点で奥住とサウターには3秒のギャップが開いていたが、4周目のASURA S字コーナーでジェシー・レイシー(G FORCE F111/3)がマシンを止めたことで、SC導入となる。

 9周目にリスタートを迎えると、サウターは奥住に仕掛ける。テール・トゥ・ノーズの戦いとなるなか、10周目の日立Astemoシケインで奥住のインに飛び込んだサウターがトップに浮上する。サウターはそのままトップの座を守って鈴鹿2連勝。2位に奥住、3位にマンソンが続いた。マスタークラスは総合5位に入ったMOTOKIが制し、この週末2度目のクラス優勝を飾った。

 鈴鹿での3戦を終え、61点獲得の奥住がポイントリーダーに浮上。ランキング2位に50点獲得のサウター、ランキング3位に30点獲得の中村が続いた。

 続く、2024年FRJ第2大会(第4戦〜第6戦)は5月11〜12日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。

2024 FRJ鈴鹿大会 第3戦決勝のスタート
2024 FRJ鈴鹿大会 第3戦決勝 ミハエル・サウター(G FORCE F111/3)
2024 FRJ鈴鹿大会 第3戦決勝 ミハエル・サウター(G FORCE F111/3)
2024 FRJ鈴鹿大会 第3戦決勝 表彰台(総合)
2024 FRJ鈴鹿大会 第3戦決勝 MOTOKI(47TRADING with Rn-sports)

・2024年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ

第3戦鈴鹿サーキット 決勝正式結果

Pos. No. Class Driver Car Time/Gap

1 5

M.サウター G FORCE F111/3 27’17.595

2 3

奥住慈英 Sutekina Racing 2.387

3 55

S.マンソン G FORCE F111/3 11.241

4 36

W.ジョンウェイ SKY MOTORSPORTS F111/3 14.893

5 11 M MOTOKI 47TRADING with Rn-sports 15.706

6 62

猪爪杏奈 ユピテル 羽衣6 F111 24.040

7 45 M 辻子依旦 PONOS RACING 26.428

8 28

中村賢明 TOM’S FORMULA F111 44.460

9 23 M YUGO S2R Racing 1’04.823

10 29

J.ブロビオ ES oneFormulaPHL 1’19.543

11 16 M AKITA AKITA Cars & Racing 1Lap

12 51

廣田築 G FORCE F111/3 2Laps

53

J.レイシー G FORCE F111/3 9Laps

天候:晴れ 路面:ドライ

・ファステストラップ
総合:1分58秒856(4/12) 175.887km/h #5 ミハエル・サウター
M:1分59秒833(11/11) 174.453km/h #16 AKITA

・スタート時刻:10時16分37秒
・フィニッシュ時刻:10時43分54秒

・SC導入時刻:10時24分36秒(4Lap)〜10時35分55秒(8Laps)

・ペナルティ
#28、#51は、ドライブスルーペナルティ(国際モータースポーツ競技規則 付則H項2.10.10(SC中の追い越し))
競技結果に対して30秒加算(上記ペナルティ不履行)

#16は、ドライブスルーペナルティ(FRJ S.p.R.16-1.1)(危険なドライブ行為))

投稿 2024年フォーミュラ・リージョナルが開幕。奥住慈英がポイントリーダーに浮上/FRJ第1大会鈴鹿autosport web に最初に表示されました。

© 株式会社三栄