岸田文雄首相は14日の自民党政治刷新本部会合で、派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、関係者に対する追加聴取を検討する可能性に言及した。「実態解明のため関係者の話を聞くべきだという意見をいただいたので対応を考えたい」と述べた。対象は明示していない。小倉将信刷新本部事務局長が会合後、記者団に明らかにした。
国会論戦では、安倍派（清和政策研究会）の会長を務めた森喜朗元首相への聞き取り調査が必要だと主張する野党に対し、首相は消極的な答弁を繰り返していた。この日の刷新本部会合では、出席者から森氏の聴取を求める声が上がった。
本部長を務める首相は会合で「政治の信頼を回復する道は険しい。共に努力していきたい」と呼びかけた。政治資金収支報告書への不記載が明らかになった議員らへの処分に関しても「しっかりしていかなければならない」と語った。
会合では派閥解消に伴い政治資金規正法が定める政治団体の届け出も取り下げるべきだとの指摘が出た。茂木敏充幹事長は「いったん政治団体として閉じるのも一つの方法だ」と応じた。
